2025年1月11日オーストラリア南東部シドニー市内でユダヤ教礼拝所にナチス鉤十字を模した落書きが行われました。前日にも同市内南部の礼拝所が襲撃されており、2日続けてユダヤ教施設が標的とされた損壊事案が続いたことになります。イスラエルと距離のある豪州で反ユダヤ主義的犯罪が続発している点注意が必要です
現在イスラエルを取り巻く状況は日本でも大きく報道されている通り、パレスチナ、レバノン、シリア等周辺国への軍事行動を行っています。一部の攻撃では病院で治療中の患者や学校に通う子供らの犠牲も生じており、この点でイスラム教徒、アラブ人はもとより遠く離れた地域の人々の間にもイスラエルやユダヤ教への反感を持つ方が増えている地合いと言えます。
こうした経緯のなか、オーストラリアではメルボルンやシドニー等大都市部でユダヤ教施設、イスラエル政府関連施設への落書きや放火が複数発生しています。今般の事案は一連の人種や宗教差別的な犯罪の一つと位置付けられています。現時点では建物への物損事案のみ、放火事案も早朝の人がいないタイミングでの犯行であり、人的被害は発生していませんが、今後さらに犯行が深刻化した際に、不用意に関連施設の近くにいると巻き添え被害を被る可能性は否定できません。