2020ラマダン・イード期間(4月23日頃~5月25日頃)行動チェックポイント

この記事のURLをコピーする

2020年のラマダン月間

今年もイスラム教徒にとって一年で最も重要なラマダン月が間もなくはじまります。ラマダンはもともと月の満ち欠けに基づくイスラム教の暦で9番目の月の名前です。この月は

 

「先祖の苦難を自分たちも追体験しよう」

 

という意図で日の出から日の入りまでの時間、飲食はもちろんタバコや性行為といった快楽につながる行為は原則禁止、が本来のイスラム教の教え。日本では、断食すること=ラマダン、といった理解もあるかもしれませんが、ラマダンそのものは「睦月」「如月」・・・と同様、イスラム教の暦で用いられる月の呼び名です。

 

さて、イスラム教の暦は月の満ち欠けに基づく太陰暦ですので、我々が普段使っている太陽暦と比べると毎年10日~12日ほどずれていきます。そのため、ラマダンのタイミングも太陽暦とはずれていき、今年の場合は4月23日ないし24日から5月下旬までが想定されています(ご滞在中の国ごとにご確認下さい)。今年の場合、新型コロナウイルス感染症の影響で例年と比べて海外にいらっしゃる日本人の数がかなり少ないとは思います。しかしながら、今海外にいる方のみならず、今後海外に渡航予定がある方は特にイスラム教徒が住む国では重要な月の変わり目を迎えるタイミングだ、ということを覚えておいてください。

加えて、ラマダンが終わった後2,3日はラマダン明け大祭(Eid al Fitr)が開催されます。こちらは苦難の一か月を終えた喜びが表現される大型祝日ですので、ラマダンとイード期間一体で日程を把握するとよいでしょう。

 

イスラム教を掲げる国でも、科学的な理論値を用いて新月が観察されるであろう日を新しい月の第一日とする国と、実際に宗教学者等が月を観測して新月から少し大きくなった月が見えた日を第一日とする国等、ラマダン月の始まりの決め方に差がありますので、ご滞在中ないしご旅行を計画されている国のラマダン開始日はご自身でチェックしてみてください。

 

【次ページでは・・・ラマダン月間にテロや交通事故のリスクが高まる背景をご説明します】