スーダンでのクーデター及び民衆による抗議行動

この記事のURLをコピーする

2019年4月11日スーダンで約30年にわたり実権を握ってきたバシル大統領を軍が拘束・軟禁しました。武力行使は行われていない模様ですが、事実上のクーデターと言えます。

あくまでスーダンの内政問題ですので、日本人を含む外国人がテロや襲撃、略奪の対象となっているわけではありません。しかしながら空港や国境の閉鎖に伴う交通途絶、また今後想定される物資不足により現地での生活には深刻な影響が出ると想定されます。滞在中の方は現地最新情報に注意し、出国も念頭に安全を最優先にした行動をおススメします。スーダンへの旅行を計画中の方、特に現地の土地勘がない方は今この時点での現地入りはできるだけ避けた方が賢明です。

 

 

現地午後1時頃から公式な声明発表に臨んだ国防大臣(スーダン軍トップ)の発表の要旨は以下の通りです。

 

・軍はバシル大統領を辞任させた

・バシル大統領は安全な場所で軟禁されている

・暫定軍事評議会を設立し、2年間国家統治を行う

・憲法は一時停止する

・議会は解散する

・向こう1か月間午後10時~午前4時までの間は夜間外出禁止とする

・向こう3か月間非常事態を宣言する

・本日午後1時頃まで(声明発表から24時間)空港を閉鎖する

・別途発表する期日まで周辺国との国境も閉鎖する

 

 

大規模な暴力行為は確認されていないものの、クーデター後も国民による反政府集会は継続しています。バシル大統領の失脚に賛成する国民も、軍による長期間の統治には反対する人が多い状況であり、軍による統治が機能するかは不透明な状況です。(バシル大統領自身も軍出身で、1989年にクーデターにより実権を握った経緯があります。)

 

現地では反政府、反軍政権を主張する国民らが

「革命だ!」

「我々の要求が満たされるまで帰らない」

「軍は泥棒(バシル大統領)を取り除いたが、別の泥棒を連れてきただけだ」

「独裁者を一度失脚させたなら、次も失脚させられる」

といった掛け声を集団で叫ぶ集会の様子が確認されています。

 

 

現地からの情報を交えたニューヨークタイムズ編集の動画はこちらのリンクからご覧いただけます。

 

 

在スーダン日本大使館の注意喚起はこちらです。

海外安全メールマガジン登録