「一発退場」を避けるために

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「リスク」を洗い出すために

 

とはいえ、現時点で存在を認識していないものを認識しなさい、というのはいささか乱暴です。

古くから言われるように、

 

「多くの人は見たいと欲する現実しか見ていない」(カエサル)

 

というのがよくある現実です。実際には存在していたとしても、自分が切迫した必要性を感じなければ「リスク」を「リスク」として捉えることは難しいのだと思います。

 

そこで、ご紹介したいのがリスク・マトリックスという考え方。箪笥の角に足の指をぶつける、メールの送付先を間違える、といった小さな日常的なことから、隕石や小惑星の落下、北朝鮮のミサイル発射といった大きなことまで、「発生頻度」と「被害の影響度」をイメージしながら、ご自身に降りかかる様々な負の影響を及ぼす要素をリストアップしてみてはどうでしょうか?

 

こうしたツールを使うと、ただ頭の中で考えるよりも、はっきりと「リスク」が見えてくるのではないかと思います。そして、次の表を参考にしながら、「発生頻度」と「被害の影響度」を総合して一番自分が気を付けなければならないのは何かをリストアップしてみてはどうでしょうか?

例えば

 今お勤めの会社が倒産する

 交通事故の被害に遭う(もしくは加害者になってしまう)

 大地震で自宅が大きく損壊する

といった日本でありそうな事態もリストアップできるでしょうし、

海外でテロの被害に遭遇する

 身代金目的の誘拐の被害に遭う

 現地で知り合った人に小さな箱の日本への持ち込みを依頼されたが、中身は麻薬だった

といった海外で実際に日本人が巻き込まれていることもリストアップできるでしょう。

 

この作業を何か月かに一回行うだけでも不意打ちによる「一発退場」のリスクを減らすことができるのではないかと考えています。