「変化」を踏まえた安全対策強化の考え方

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安全対策強化の基本的な考え方

 

安全対策について言えば、自分たちに迫る危険のリスクをゼロにすることは不可能です。どれだけ対策をとっても海外において旅行や事業活動をしている限り、犯罪や通り魔、予測不能な規模のテロ等巻き添えなどを100%回避することは難しいでしょう。

そのため、各企業、各人が許容できるリスクを設定しておき、その時点で滞在国に存在する脅威を許容できるリスクのレベルまで落とすという行為が必要になります。つまり

 

「必要な安全対策措置」=「対象国の脅威度」ー「許容できるリスク」

 

ということになるのです。

下の図の左側が治安情勢が「変化」する前のイメージ。青い下向きの矢印で示される必要な安全対策はそれほど大きくありません。しかし、治安情勢が悪化するということは、図の赤い円、つまりその時点でのその国の脅威度が大きくなるということ。こうなると許容できるリスクが変わらない限り(←ここを変えるということは命を大切にしないという意味です)、必要な安全対策措置は大きくなりますね。

このように皆さんに必要な安全対策措置を引き算で想定していけば、滞在先、進出先の国の治安情勢に「変化」があった場合でも対応ができるのです。また、違う国に進出する際にも現在進出済みの国の脅威と比較してどの程度の安全対策を講じればよいのか、イメージしやすくなるでしょう。

 

【次ページでは・・・具体的な安全対策強化策は懸念されるリスクを分解して考えると明らかになってきます】