(住民の危機感)×(専門家の知恵)がマンション価値に影響する
こうした事態を防ぐために「マンション管理の素人」であっても、主体的に管理組合改革に乗り出すべきである、というのがこの特集の主張。実際に、複数のマンションで管理組合の改革実績が紹介されています。そして、そのいずれも住民の満足度向上、資産価値の維持、さらには管理費用の節減といった成果を出している事例となっています。
もちろん、素人集団である住民だけでは維持管理の知識、工事ノウハウは不足するでしょう。ですので、弁護士、修繕業者、マンションコンサルタント、リフォーム業者、配管業者、行政書士等の協力は不可欠です。しかし、そういった専門家の知恵を活用するべく、主体的に動くのはあくまで住民でなければ、適切な維持管理はできませんよ、という記載がありました。
最終的にこの特集の結論はこうなっています。
危機感を持って管理組合が住民を巻き込んだ取り組みは、こうしてマンションの価値を高めていく。マンションの築年数に関わらず、住民が今行動し始めるかどうかで、10年後のマンション像も大きく変わるだろう。
こうした住民主体のマンション維持管理事例はまだまだ少数だと思いますが、特集からは貴重な示唆が一つあります。それは
「(住民の危機感)と(専門家の知恵)でマンションの価値が維持される」
ということ。
自分たちの大切な生活環境であり、資産でもあるマンションの維持管理を人任せにしておいてよいのだろうか?人任せにしていた結果、生活環境が乱され、資産価値が毀損した際も管理会社は困らないがそれでよいのか?という意味でもあります。
これは、安全管理にも全く同じことが当てはまります。
「(海外の現場で働く人の危機感)と(安全管理専門家の知恵)で現場の安全は維持できる」
自分たちの大切な命、会社の資産の安全対策を人任せにしておいてよいのだろうか?人任せにしていた結果、従業員・関係者の命が失われ、現地の保有資産が毀損した際もセキュリティコンサルタント会社は(契約定款や損害保険などで)困らないがそれでよいのか?
安全対策は皆さんの命そのものが失われる可能性のあるテーマです。本業である事業に特化した知見をお持ちのみなさんが安全管理の手法やノウハウ、緊急時の対応のすべてに精通することは難しいでしょう。そうした、特定の知恵を得たい場合には、安全対策のスペシャリストにご相談ください。ただし、マンションの維持管理と同じで、主体はあくまで現場で活動される皆さんです。
(皆さんの危機感)と(安全管理専門家の知恵)が皆さんの命を守る、現場の安全を維持する秘訣なのです。安全管理の専門家に「一任」したからそれでOKではありません。一任がいつしか依存になってしまえば、助かる命も助からないのです。
企業経営者の皆様、また海外で勤務される皆様、改めて、今ご自身が安全対策に主体的に取り組む意味を考えていただきたいとねがっております。
この項終わり