防犯対策をカメラメーカーやシステム会社に任せるのは筋違い
Security Show の会場内で行われていたセミナーに登壇されていたのは以下の三名の方(セミナーHPより)。
・折元 洋巳 氏 一般社団法人 全国防犯啓蒙推進機構 理事長
・久保 潮 氏 JVCケンウッド・公共産業システム 事業統括部 事業統括部長
・岡崎 功治 氏 エスエスユニット 営業部 部長
折元さんは元大阪府警に所属されており、長らく看守を務めていたご経験から多くの犯罪者と接してきたと発言されていました。そのため、犯罪を犯す側の考え方も理解しており、どのような場所が犯罪実行現場として好まれるかもよくご存じでした。
そんな折元さんが監視カメラを設置、運営する側に強く求めていたのは
「監視カメラが売れればよい、多くの台数を設置すればよい、ではなく本当に役に立つ場所に役に立つカメラを設置すべき」
であるということでした。
文字にすると当たり前のようですが、例えば
逆光になりやすい場所に逆行補正機能のないカメラが設置されている
カメラの台数は足りているのに死角が生じてしまっている
必要以上の画質のカメラが設置されている
といった事例も散見されるそうです。いずれも犯罪者の行動や思考パターンを踏まえずに、監視カメラを設置してしまったが故に誤ったカメラの設置状況が発生しているのではないかとお考えでした。本来マンションや事務所等、施設を保有する方のが犯罪者に狙われないよう、設置するはずの監視カメラですが、犯罪者に接したことがないカメラメーカーやセキュリティシステム会社が設置することが問題とのご主張です。
こうした状況を踏まえて折元さんは
「ワインを飲んだことのないソムリエがワインを薦めているようなもの」
との比喩を用いて表現されていました。大変的確で、わかりやすいお話でなるほど!と感動しました。
同時にこの比喩を聞いて尾崎自身、海外での安全対策でもよくある現象だな、と感じたのです。
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