海外での安全配慮義務を履行するために(後編)

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海外に関係者を派遣するなら相応の安全配慮義務履行を!

海外に関係者を派遣する場合、日本国内の駐在や出張命令とは全くレベルの違う安全配慮義務が存在することをご説明しました。

個別具体的な事例で必要な安全配慮義務は違ってきますが、一般論として海外に関係者を派遣する企業・団体側が取り組んでおくべき安全配慮義務の要素は以下のようなものが挙げられます。

 

いくつかかいつまんで具体的にご説明しましょう。

 

1)渡航先の治安リスクを十分に説明する、派遣される人がそのリスクを理解できるように取り組む

海外に関係者を派遣する際、なによりも派遣する側も派遣される側も目的地のリスクを認識し、理解していることが前提です。北海道から沖縄までほぼ同じ治安認識で問題が起こらない日本国内の出張とは違うのです。目的地で過去に発生した事件や事故、日本人が被害に遭った犯罪や自然災害、感染症等リスクを確認し、出張者/駐在者に理解してもらいましょう。

少しリスクが高い国・地域に派遣する場合、念には念を入れて対応するなら派遣先リスクを理解したという文書にサインをしてもらうという手法もあります。ちょうど病院で手術や麻酔を行う際に万が一に備えた同意をするのと同じ意味合いです。

手術同意書のイメージ(ひな形ジャーナルより)

 

【次ページでは・・・出張先、駐在先のリスクを説明すればOK!とはいきません。出発後に必要な安全配慮をご説明します】