ラマダン月間中の行動チェックポイント
ラマダン月間中、イスラム教徒の多い国やイスラム教を国の宗教として掲げる国に一切近づかないほうがよいというわけではありません。上記のようなちょっとした基礎知識を持ち、以下のチェックポイントに気を付ければ、世界中のほとんどの国・地域では安全を確保しながら旅行、仕事、生活ができるはずです。
(なお、当サイトでは安全管理の基礎知識を一般的な日本人の方向けに説明しております。このため、イスラム教徒の方に対し、宗教施設等での礼拝を阻害する意図はありません。宗教上等の理由で外出、立ち寄りを行う場合も相応の準備をしてください、という注意喚起を行っているのみである点、お断り申し上げます。)
〇宗教的に特に神聖で集団礼拝が行われる金曜日はできる限り外出を避ける
⇒2019年は5月10日、17日、5月24日、31日、6月3日がラマダン月間中の金曜日です。宗教の名のもとにテロや襲撃等が増加する期間ですので、イスラム教にとって神聖とされる金曜日の事件発生が多く、特にご注意ください。どうしても外出しなければならない用事がないのであれば、自宅、ホテル、職場等必要最低限の行き先以外は外出を避けることをお勧めします。
(なお、日本人7名も犠牲になったバングラデシュのレストラン襲撃事案は2016年のラマダン最終金曜日に発生しています)
〇テロの標的となりやすい施設にはできる限り近づかない。また不特定多数の人が集まる場所や時間帯は避ける。
ナイトクラブや映画館等の娯楽施設、レストラン、ホテルのロビー、ショッピングモール、スーパーマーケット等人が多く集まる施設、教会・モスク等宗教関係施設、政府関連施設(特に軍、警察、治安関係施設)等は、過激なイスラム教解釈を行うグループがこれまで標的としてきた施設です。旅行や日常生活を送る上で、どうしても行かなければならない理由がないのであれば、これらの施設への立ち寄りは避けたほうが無難です。
もちろん、食事や日用品の買い物、重要な商談等でどうしても行かなければならないということであれば事前に十分リスクを検討し、混雑を回避する、滞在時間をできる限り短くするといった安全対策を練った上で訪問ください。
〇日没直前の移動はできる限り避ける
実際に断食してみるとわかりますが、脳にエネルギーがなくなってくるとどうしても注意力が散漫になります。毎年断食をしているイスラム教徒の方もそれは同じ。つまり、ラマダン月間中の日没前(特に帰宅ラッシュの頃)は注意力を欠いたドライバーや歩行者が多いということです。テロや襲撃等のみならず、交通事故も増えますので、こちらもご注意ください。
街中を移動する際は必ず周囲に十分気を付け、また車両に乗っている時はシートベルトを忘れずに、運転手の体調も気遣いながら移動するといった工夫が必要です。
加えて、ラマダン月間中のイスラム教徒は日没直後に「イフタール」と呼ばれる一日一度の食事を楽しみにしています。普段よりも注意力を欠いた状態で、「イフタール」のために急いで帰宅しようとする方も多いため、運転が荒っぽくなり、より一層交通事故には注意が必要です。
(現地駐在員の方でドライバーを雇用されている場合はご自身の安全のためにも、現地の方が「イフタール」を時間通り食べられるようにするためにも、日没よりも少し前のご帰宅を心がけていただくとなおよいと考えます。)
参考(各国政府の自国民に対するラマダン注意喚起情報)
オーストラリア(4月1日発表)
日本(4月18日発表)
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