安全対策の「辞書」とも言える国際テロリズム要覧をご紹介
海外で事業展開されている企業にとって、従業員、関係者の安全を守ることは必要不可欠です。
工場や作業中の事故で死傷者が出ないようにする、
職場内でのセクハラやパワハラを防ぐ、
過剰な残業等による過労を防ぐ
といった取り組みをしていない企業はかなり少なくなっていると思いますが、海外での従業員・関係者の安全確保に主体的かつ十分取り組んでいる企業はまだ「先進的」と言えます。特に新型コロナウイルス禍以降、業務として海外に派遣した従業員の安全と健康を守ることは企業の責務の一つと言えるようになってきました。厚生労働省の統計によれば、この一年の間で業務上海外に渡航していた方がコロナウイルスに感染したケースの内、32名の方が労災を申請し、少なくとも22名(約70%)が労災であるとして認定されています。
さて、ではどのようにすれば海外に派遣した従業員を危険から守るために企業が努力していたと言えるのでしょうか?まずは従業員を送り出す世界各地の状況を企業側が把握しておかなければなりませんよね。日本では「テロ」事件に巻き込まれることはまずありえませんが、世界各地では先進国も含め意外と死者を伴う「テロ」事件が発生しています。
こうした背景を踏まえ、当サイトで活用をおススメしているのが公安調査庁が毎年発行している「国際テロリズム要覧」。今年2021年も7月中旬に発行され、順次セキュリティ関係者には配布されています。ただし、一般企業の方、あるいは海外に駐在・出張される方がなかなか目にすることのない冊子であることは間違いありません。
今回のセミナーでは、従業員・関係者の命を守るために必須の世界の治安情勢把握に欠かせない「国際テロリズム要覧」とはなにか?から丁寧にご説明しました。全部で約530ページもある冊子ですし、アフガニスタンやシリア、あるいはイラクといったおそらく読者の皆さんが関係しないであろう国・地域で活動する武装勢力の解説の分量も多いです。そのため、セミナーではこの冊子を「辞書」と表現し、必要な時だけ検索するために使ってください、とご説明しています。
その他、代表の尾崎をはじめ当サイトを運営する(株)海外安全管理本部でこの冊子をどのように活用しているか、また「国際テロリズム要覧」ウェブ版との使いわけ方など、安全対策を担当してはいるけれどどこから始めたらいいんだろうか?という方にはその日から役立つ実践的な活用法もご説明させていただきました。ただし、公安調査庁には海外での邦人保護の役割はありませんので、情報源として参考にしても、海外で困ったからと言って公安調査庁に頼っても助けてもらうことはできません、との注意も。海外でトラブルに巻き込まれた際の窓口は日本政府外務省/大使館/総領事館であることも明確にご説明させていただきました。
オンラインセミナーの概要報告をお読みいただきありがとうございました。内容をご覧になって弊社のコンサルティングをご希望される場合、あるいは無料・有料セミナーにご関心をお持ちいただけるようであればこちらからお気軽にお問合せ下さい。また、今回公安調査庁発行の「国際テロリズム要覧」を知らなかったという方からもセミナー内容に高評価を頂きましたので、今後も定期的に類似のセミナーを開催したいと考えております。もし、ご関心がある方は毎週月曜日に当サイトの更新情報やピックアップコラムと共にセミナー開催予定をお送りするメールマガジンにもご登録をお願いします。
なお、次回のオンライン無料セミナーは11月17日開催予定です。お申込みはこちらからも可能ですので少しでもご興味をお持ちいただけた方、アフターコロナの海外事業展開に関する危機管理で何からやればいいのか?とお悩みの方は今すぐアクセス下さい!
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