2021年2月1日、現地8時半ミャンマー軍は新政府幹部や政党関係者の身柄を拘束し、国家権力を掌握した旨発表しました。現在同国は軍が立法・司法・行政の全権を担っており、国家緊急事態宣言が発令されています。本宣言の有効期間は1年間とされています。
本クーデターは昨年行われたミャンマーでの総選挙に際し、投票者名簿の誤りなどを軍が再三指摘していたものの、政治・行政が対応せず結果が確定したことに対し軍が強硬手段を用いたものです。総選挙後、アウンサン・スーチー氏率いるミャンマー与党NLD(国民・民主連盟)が勝利宣言をしており、本日2月1日から新たに選ばれた議員による国会が召集される予定でした。
現時点で暴動や衝突等は報じられていませんが状況が極めて流動的であり、現地の日本国大使館をはじめ外交関係者も最新情報を集めている状況です。滞在中の方はできる限り外出を控え、最新の情報に注意するようおススメします。
ミャンマー首都ネピドー市内では兵士らが巡回しており、大きな混乱は報告されていません。ただし、インターネットや一部電話サービスは停止されており、最新の状況が速やかに収集できる状況ではありません。
2日の現地発表によれば現在ミャンマーを発着する航空便は国内線、国際線共に運航がストップしています。少なくとも5月31日まで全ての航空便の運航は認められないとされています。
6日、最大都市ヤンゴン市内で数千人が軍によるクーデターを非難し、スーチー氏解放を求めるデモ行進が行われました。大規模な混乱は報告されていませんが、デモ隊集結地点、軍や治安当局関係者の集結地点への接近はおススメできません。
2月8日、ミャンマー各地で相次ぐ反軍政デモへの措置としてマンダレー等都市部で戒厳令が発令されました。
首都ネーピドーでは抗議に参加する群衆に対し、放水銃を用いて治安当局が解散を求める事態も発生しています。各地のデモへの参加はおススメできません。
2月9日続発する反軍政、民主化要求デモに対し治安当局はゴム弾も使用して解散させるよう取り締まりを開始しています。複数が負傷しており、報道によれば首都ネーピドーにてデモに参加していた女性1名が死亡したとの情報もあります。
2月12日~14日まで現地の三連休期間中にもミャンマー軍政に反対する国民らによる反クーデター抗議活動が継続されています。15日以降軍が中心となって治安維持にあたることが発表されており、装甲車とデモ隊が対峙する光景も確認されています。
軍の部隊とデモ隊との暴力的な衝突を回避するよう国連が呼び掛けるなど、現地の緊張感は高止まりしていると言えます。滞在中の方は外出を必要最小限にとどめ、デモ隊や軍・治安当局の集結地点には近寄らないことを強くおススメします。
2月20日ミャンマー第二の都市マンダレーで、反軍政デモを鎮圧しようとした治安当局が実弾を発砲し、少なくとも2名が死亡しています。
2月28日国連によればヤンゴンをはじめミャンマー各地でデモ隊と治安当局が衝突し、少なくとも18名が死亡、30名ほどが負傷しているとのこと。28日、イギリス政府は改めてミャンマー国内の自国民に対し外出を控え自宅等に待機するよう呼びかけています。
3月11日ミャンマー中部ミャインで警官隊がデモ隊に発砲し、少なくとも12名が死亡しました。ミャンマー全土では70人以上が死亡したとの報道もあります。3月9日時点で日本政府外務省はミャンマー滞在中の日本人に対し、真に必要な滞在でない場合は「商用便による帰国の是非を検討されることをお勧め」しています。
3月14日ミャンマー軍は最大都市ヤンゴン郊外のフラインタヤ地区、シュエピタ地区、新ダゴン地区、ダゴンセイッカン、北オカラッパ地区に戒厳令を発令しました。
現地報道によると3月27日~28日にかけてミャンマー軍は南東部カイン州、北部カチン族の居住域に空爆を実行したとされています。南東部では既に数千人が国境を越えて隣国タイに避難しているとの報告もあります。カイン州に居住するカレン族を中心とした武装勢力や、カチン族の武装勢力は民主化勢力の中心となっている「ミャンマー連邦議会代表委員会」と協調することを発表しており、この連携に対する攻撃との見方があります。
4月10日、最大都市ヤンゴンに隣接するバゴーで行われていたデモに対し、爆弾等も用いた強行的な取り締まりが行われ、約80名が死亡したととされています。負傷した人々の周囲に銃撃を加えるなど、医療ボランティアが負傷者に近づけないような行為も報告されています。
この記事は現地からの情報が入り次第随時更新します。