南アフリカ治安最新情報(2024年9月)/海外安全.jp


0.南アフリカにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在南アフリカ日本国大使館   :+27-(0)12-452-1500

◎在ケープタウン領事事務所   :+27-(0)21-425-1695

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察    :10111

◎消防/救急 :10177

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

南アフリカ各国政府とも強盗やレイプ等の深刻な犯罪への警戒を高めるよう国民にアドバイスしています。
日本政府は主要な四都市(ヨハネスブルグ、プレトリア、ケープタウン及びダーバン)以外に危険情報を設定していませんが、これはアメリカ政府やオーストラリア政府よりも低めのレベル設定となっています。
過去に大規模なテロ事案は発生していませんが、2015年や2018年には国内主要都市でテロの可能性があるとの情報が流れた経緯があります。また、2018年7月にはアメリカ大使館等へのテロを計画していたとして4名が逮捕されるなど、現地治安当局はテロへの警戒も高めている旨、複数の国のトラベルアドバイスに明記されています。
一般犯罪の発生率は日本と比べて高く、しかも銃器やナイフを用いた深刻な犯罪が多発しています。英語圏各国のトラベルアドバイス上はいずれも強い注意喚起があります。日本政府外務省もスマッシュ&グラブやカージャック、路上強盗等の事例について、繰り返し強いトーンでの注意喚起を行っています。

【海外安全.jpのコメント】

各国政府とも、特に凶悪犯罪への警戒を強く呼びかけています。日本政府外務省の危険情報地図を見ると国土の大部分が白になっており、一見安心して旅行できそうですが、他国のトラベルアドバイスも参考にしながら、現地での安全対策を十分検討することをおススメします。特に昼夜問わず、一人で歩いての観光、外出はオススメできません。

 

渡航前に少なくとも在南アフリカ日本大使館が公表している「安全の手引き(2023年4月版)」を読むといった自衛策をおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル2:不要不急の渡航は止めて下さい」が設定されている地域

ヨハネスブルグ市

ツワネ市(旧プレトリア)

ダーバン市のCBD(CENTRAL BUSINESS DISTRICT)およびその周辺

「レベル1:十分注意してください。」が設定されている地域

ケープタウンを含む上記を除く全土

 

過去に国内で大規模なテロが発生していませんが、ISISに参加した南アフリカ人がいることや2018年7月に米国大使館等への攻撃を計画していた(ISILとつながりがあると見られる)4人が逮捕されている、といったテロ発生の可能性が記載されています。

加えて、特に大都市では銃器を用いた強盗、車上荒らしなどが頻発している点強い注意喚起があります。他国の注意喚起にも記載がありますが、「スマッシュ&グラブ」という停車中の車両への強盗行為が多発している点繰り返し注意喚起がなされています。2023年に入ってからはヨハネスブルク、ツワネ、ダーバンといった大都市部で拳銃を用いた強盗事案数が高止まりしている他、日本人旅行者が首絞め強盗に遭うなど、治安が悪化していることを踏まえ、2023年4月27日付でほぼ全土のリスクレベルが引き上げられました。

以下在南アフリカ大使館が配信した在留邦人向け関連注意喚起より関連部分を引用します。

(1)スマッシュ・アンド・グラブ
信号で停車する場合や停車中に周辺に不自然な動きをする者または車両がいないかを常に確認して下さい。車外から見える位置に貴重品等を置かないようにし,駐車する際も,車中に貴重品等を絶対に残置しないようにご留意下さい。やむを得ず車内に置いておく必要がある場合は,トランクなど,車外から見えないところに保管して下さい。
(2)カージャック
スラム街,空港周辺で,高速道路の出口(オフランプ)で信号待ちの車両がターゲットになる事実が多発しています。
ショッピング帰りやATMでの取引後,こちらの様子をうかがっているような不審人物や追尾車両の有無に気を配るとともに,かかる状況が認められた場合には,直帰せずに直近の警察署やモールなど安全が確保できる場所に一時的に避難するなどの措置を講じてください。ニャンガ,フィリピ・イースト等のインフォーマルな住宅の並ぶスラム地域は,南ア全体として見ても最も犯罪発生率の高い地域です。立ち入らないことが最大の安全対策です。居住者の案内なく不用意且つ無防備に立ち入ることは厳に避けて下さい。また,周囲の産業地域や高速道路の出口の信号を含め十分警戒して下さい。

さらに、公開されている「安全の手引き(PDF)」にも強盗事案等の頻発を念頭に「昼夜を問わず一人歩きはしない」という推奨事項が含まれています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

全土

犯罪の多発、市民騒擾の発生可能性及び深刻な干ばつの影響が懸念されることから、全土を対象として「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。パンデミックの影響はリスクレベル設定から除外されており、コロナ禍前と同じレベルに戻っていると解釈できます。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

イギリス政府は危険レベルを地図上の色分けや文言の形式で示していません。

直近主要都市で爆破テロの危険性が指摘された他、ダーバン市中心部で爆発物の一部と思われる部品が見つかったことなどから、南アフリカ治安当局が警戒を強めている旨記載があります。加えて強盗やレイプなどの発生率が非常に高いことを踏まえて犯罪に巻き込まれないよう強い注意喚起がなされています。

また、しばしば国内各地で政治的な集会等が行われ、場合によっては暴力的になる可能性が指摘されています。滞在中は現地報道に注意し、最新の情報を入手するようアドバイスされています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」にリスクレベルが引き下げられました。

2022年4月8日付で新型コロナウイルス感染症による深刻な影響はなくなったとされ、全土が「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」となりました。

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オーストラリア政府はオーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

南アフリカに対しては、全土が5段階中真ん中の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」の対象となっています。このレベル設定の背景は(銃器を用いるなどの)深刻な犯罪が多発しているため、との記載があります。

6.最近の治安ニュース

南アフリカ観光客の象による圧死事案(2024年7月7日)南アフリカ プレトリア市内商業施設での銃撃強盗(2024年7月2日)

南アフリカ邦人旅行者への首絞め強盗事案(2024年1月21日)

南アフリカ日本人旅行者首絞め強奪被害(2023年12月5日)

南アフリカ偽警官によるカージャック事案(2023年10月25日)

南アフリカでのトラック襲撃事案の多発(2023年7月)

南アフリカ観光地での強盗銃撃事件(2022年10月1日)

南アフリカ、生活費高騰デモへの当局発砲(2022年8月1日)

南アフリカ前大統領支持者による抗議活動(2021年7月)

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