2023年6月28日スウェーデン首都ストックホルム市内南部のモスク付近でイスラム教聖典であるコーランを焼却する集会が強行されました。同国内でのイスラム過激主義によるテロの危険性が指摘されている他、イスラム教徒の多い国での抗議集会等も想定されます
コーランの焼却を伴う集会の開催について、スウェーデン司法当局が認可していたという背景もあり、本件は外交的にも大きな問題になりうる要素をはらんでいます。スウェーデンでは特に本件に関連した暴動や襲撃等が起こりうる旨公安警察が注意喚起を発しています。
また、6月28日頃からイスラム教徒にとって重要な犠牲祭(イード・アル・アドハー)の大型祝祭日が始まっており、イスラム教徒の多い国では宗教心が高まりやすく、人が集まりやすいという地合いにあります。スウェーデン国内はもちろんのこと、イスラム教を掲げる国を中心に例えばスウェーデン大使館等周辺で抗議活動が起こりえる点に注意が必要です。
なお、本年1月にもスウェーデン国内でコーランの焼却が行われた後、同国はテロの警戒レベルを引き上げました。日本政府外務省をはじめ各国政府も本年1月同様、自国民向けの警戒情報を順次発しています。