米国南部でのマラリア流行

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2023年6月23日アメリカ疾病予防管理センターは南部テキサス州やフロリダ州で熱帯の感染症マラリアが広がっているとして注意喚起を発しました。米国内で感染が広がるのは約20年ぶりとのことで周辺地域滞在中は特に蚊に刺されないよう注意が必要です

 

マラリアは年間2億5000万人程度が感染し、60万人以上が死亡しているマラリア原虫による感染症です。ただし、感染者の95%がアフリカで確認されており、先進国に影響が少ないこともあってこれまで日本語メディアでは大きく取り上げられることはありませんでした。CDCによれば例年海外旅行中に感染したアメリカ人が帰国後発症するケースはしばしば確認されていたものの、本年はテキサス州及びフロリダ州内で感染が連鎖していることが確認されたとのこと。前回アメリカ国内でマラリアの域内感染が確認されたのは2003年フロリダ州パームビーチで8人が感染した事例が最後です。

 

CDCはアメリカ国内で爆発的にマラリアが広がるとまでは懸念していないものの、蚊の数を注意深く観察すること、また医師に対しマラリアの可能性を疑うことなど注意喚起を行っています。なお、マラリアは適切な治療が行われない場合、特に出血熱様症状を呈した場合には死に至る可能性がある疾病です。

 

【参考リンク】厚生労働省検疫所 マラリアについて

世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、2022年12月に公表されたWHOの最新の世界マラリア報告によると、2021年の1年間に約2億4700万人が感染し、推計61万9,000人が死亡しています。この世界におけるマラリアの年間死亡者数と感染者数は、新型コロナウイルス感染症の影響で増加しており、注意が必要です。

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