2024年5月31日ドイツ南西部マンハイム市内の路上で男がナイフを用いて複数名を刺す事案が発生しました。犯人はその場で警察に射殺されています。事件現場では反イスラムを主張する極右的な集会が開かれており、同集会の主催者も負傷しています。
周囲に一般の商店等が多数存在する商業エリアの一角にある広場で行われていた集会の参加者らが襲撃されたとみられています。同集会ではドイツ国内のイスラム教宗教施設の閉鎖を含む過激な反イスラム主義を掲げるグループが集会を行っており、犯人はこうした主張に反対していたものと見られています。ただし、犯人は既に射殺されていること、また現時点で警察が犯人の詳細を明らかにしていないことから動機等は不明です。
欧州では反イスラムや反移民を掲げる極右主義的な主張が影響力を強めている点は事実と言えます。一方、イスラム教を含む宗教や民族的な差別は許されるものではないため、こうした極右主義的主張に対する抗議集会も多く発生しています。このため異なる主張を掲げるグループによる衝突や今回のような個人による凶行がしばしば発生しうる状況は当面継続すると考えられます。
旅行はもちろんのこと、一般的な業務や研究、学業のために現地駐在している日本人がこの手の政治的集会に参加することは安全面を考えるとおススメできません。