2025年7月4日付で在イラン日本国大使館は先月発生したイスラエルとの軍事衝突以降旅行者を含む外国人がスパイの疑いをかけられ身柄を拘束される事案が発生している旨注意喚起しました。世界各地で類似の状況が起こりえるため、海外で突如紛争等に巻き込まれた場合日々の行動上の注意は必須です。
既にイランからは避難を希望する日本人は避難済みであり、真にやむを得ない事情で現地に残っている方以外はイラン国内にいらっしゃらないとは思います。他方で大規模な軍事衝突が終結した後も実質的に「戦時下」において当該国政府は自国内での重要施設写真・動画やそのほか機微な情報が洩れることを極めて強く警戒します。イランに限らず、滞在先にて内戦や周辺国との紛争に巻き込まれた場合には観光客であっても写真撮影や接触する人物・訪問先に十分な注意が必要です。
以下、在イラン日本国大使館からの注意喚起を引用します。
1 本年6月のイランとイスラエルの軍事衝突以降、イラン国内において外国籍者(旅行者を含む)等が外国機関に情報提供した疑いにより、当局に相次いで身柄を拘束されていると報じられています。
特に、以下の場所においては写真や動画を撮影しないようにしてください。当局に拘束されるおそれがあります。写真や動画を撮影する際には十分注意してください。
【撮影禁止となっている主な場所】
空港、駅・鉄道、港湾、橋、軍事施設、国境地帯、旧アメリカ大使館(現在は革命ガードの施設となっています)、政府関係施設、各国大使館・大使公邸等2 撮影禁止地域であるにもかかわらず、撮影禁止の看板・標識が出ていないケースもあるため、撮影する際は周囲の人に必ず確認するなど、十分注意してください。
また、宗教行事等人が集まるところには近づかないようにしてください。
なお、女性、礼拝中のイスラム教徒を撮影する場合には、事前に了承を得る必要があります。3 過去には、日本人旅行者がテヘラン市内にあるメフラバート国際空港周辺で、同空港の外観等を写真撮影していたところ、治安当局に一時拘束され、写真撮影に使用した小型タブレッ ト、旅券等を押収され、国外退去処分となった事案や、日本人出張者が革命ガード関係施設を撮影し、治安当局に連行され関連施設に一時拘束された事案も発生しています。
4 また、ドローンを飛ばして撮影を行ったため、治安当局の取り調べを受け、ドローンを没収され、国外退去処分となった事案も過去に発生していますので、ご注意ください。