2025年11月10日、カメルーンにて、野党指導者が政府に対し、大統領選挙後の抗議行動で拘束された市民の即時釈放を求める最後通告を発しました。現地では政治的緊張が高まっており、治安情勢の急変も懸念されています。抗議活動や治安部隊の動向に巻き込まれないよう十分注意してください。
再選を決めたビヤ大統領が就任してから3日目となる10日、10月12日の大統領選で2位となった野党党首が政府に対し、選挙後の抗議活動で拘束された市民の釈放を求める48時間の最後通告を発しました。通告は同氏がSNS上に投稿した映像メッセージによって発信され、対象地域はガルア、ドゥアラ、ヤウンデなど主要都市を含む全国規模とみられます。通告が満たされなかった場合にはカメルーン国民は「自らを守るだけでなく、子供たちを守るため、そして彼らがどこにいようと救い出すために可能な限りのことを行う自由を得るだろう」との警告がなされています。この発表を受け、11月13日前後から反政府、反ビヤ大統領デモ及び選挙関連で逮捕されている国民の即時釈放を求める大規模な抗議活動が発生することも想定されます。
背景には、2025年10月12日に実施された大統領選挙の結果に対する野党側の不服があります。報道によれば、現職のポール・ビヤ大統領が53.66%の得票率で再選された一方、野党党首であるチロマ氏は35.19%にとどまりました。チロマ氏は選挙結果の不正を主張し、自身が正当な勝者であると表明しています。これに伴い、各地で抗議活動が発生し、治安部隊による鎮圧の過程で多数の市民が拘束されたとされています。報道によると、カメルーン治安部隊は選挙後のデモ弾圧で48人を殺害したとのことです。政府は少なくとも5人が死亡したと発表しています。
現地では政治的緊張が高まっており、治安情勢の急変も懸念されています。カメルーンに滞在中の方、渡航を予定されている方は、抗議活動や治安部隊の集結地点に接近しないこと、また現地報道や在カメルーン日本国大使館からの情報を随時確認するようおススメします。


