マダガスカル軍による権限掌握

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2025年10月14日マダガスカル首都アンタナナリボにて軍が大統領府前で声明を発表し「国家の安定と統一のため、暫定的に統治権限を掌握する」と宣言しました。前日大統領が国外へ退避したことを受けた動きであり事実上クーデターが成立しました

マダガスカルの現職大統領であるラジョエリナ氏はフランス軍の協力を得て、10月13日に国外に退避済みです。この避難はフランスのエマニュエル・マクロン大統領との協議に基づいて実施されたと報じられています。ラジョエリナ氏はフランス国籍も保有しており、退避先はフランス国内とみられています。

クーデターに至る前、9月下旬から同国内での電力・水不足、政治的な腐敗等への抗議活動が継続しており、ラジョエリナ氏率いる政府はデモの鎮圧にとりくんでいました。他方で、10月11日には大統領警護を含む職務を担うマダガスカル軍CAPSATが国民への発砲を拒否しデモ隊側を支援する動きが始まりました。同日警官隊と軍部隊の銃撃戦なども発生しましたが、徐々に軍部にデモ隊に合流する部隊が増加し、大統領及びその関係者は安全を優先し国外へ脱出しています。

13日以降大統領の弾劾決議が議会で成立し、14日に軍が統治権限掌握を発表したことによって事実上クーデターが成立しています。軍の声明によれば「国家以降政府防衛評議会」が暫定的な統治の責任を担うとのことです。

現時点で首都アンタナナリボでは大規模な混乱は発生しておらず、国民の多数派は大統領の放逐/軍による権限掌握を歓迎しているように見えます。夜間外出例は複数の都市で依然有効ですが、現時点では自宅やホテル内等安全な場所に留まっていれば身の危険はないとされています。

 

現地日本国大使館から現地在留の邦人に対し外出を控え、安全を確保すること、また当面一般の方のマダガスカル来訪を控えるよう呼びかけられています。

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