2024年7月11日ニジェール南西部ティラベリ州のクトゥカレ刑務所から多数の囚人が脱獄に成功しました。ニジェール当局はティラベリ州全域で夜間外出禁止令を発令し、警戒を高めています。当該刑務所は首都から50キロ圏内であり、首都でも警戒が必要です
クトゥカレ刑務所は過激なイスラム教解釈に基づく武力闘争をもいとわないジハード主義者らが収監されていることで知られており、今回の脱獄犯にもアルカイダやISISに関連するグループの構成員が含まれていると思われます。ただし、現時点でニジェール政府は何人の過激派が脱獄したか、は把握できていない模様です。同刑務所は2016年、2019年にも脱獄未遂が発生しており、刑務所と言えども完全なコントロールができているわけではありませんでした。
ニジェールとその隣国であるマリ、ブルキナファソは、いずれもクーデターによって成立した軍事政権が権力を掌握しています。ただし、軍事政権においても過激派の活動を完全に抑制することはできておらず、治安は安定しているとは言えません。ニジェールにおいても8日に同じティラベリ州内でアルカイダとつながりのあるジハード主義者と思われるグループが軍部隊を待ち伏せ攻撃し、少なくとも14人の兵士と民間人1名が死亡、11人が負傷、24名が行方不明になっています。
なお、ニジェールを管轄する在コートジボワール日本国大使館は改めて注意喚起を発するとともに、現在危険情報レベル4(退避してください)としているニジェール国内ティラベリ州に立ち入らないよう呼び掛けています。