2025年1月11日ニジェール北部アガデスで28年間現地に住むオーストリア人女性の自宅に武装勢力が押しかけ、どこかに連れ去られた模様です。現在犯行グループや被害者の安否含め不明です。また、現時点で犯行声明を発表したグループはいません
事件が発生したのは、ニジェール南西部に位置する首都ニアメから北東に約900キロ離れたアガデス周辺です。オーストリア外務省の発表によれば、同市に28年間住み、周辺地区で開発支援に携わっている73歳の女性とのこと。11日、銃をもって女性の自宅に押し掛けた武装勢力が女性を4WDに載せいずこかに連れ去ったようです。現時点で、女性の行方は分かっておらず、ニジェール政府も公式に本件について発表していません。また、武装勢力による犯行声明も出ておらず、現時点ではオーストリア政府が救援に向け動いていることだけが判明しています。
ニジェールでは長年アルカイダやISISに関連のある武装勢力が活動しているほか、実態的には各部族や村落の利益を守るための自衛組織に近い武装勢力による襲撃事案もしばしば発生しています。2023年7月以前はフランス軍、アメリカ軍が同国政府と連携し治安維持を行ってきましたが、クーデターによる軍事政権が成立して以降、軍政はロシア系民間軍事会社との連携を選択し、現在フランス軍、アメリカ軍は同国から撤退しています。
ニジェール軍政は治安改善に向けて取り組むことを約束していますが、同国全土で治安が改善しているとは評価できない現状です。