トップ画像はForeign PolicyのHPに掲載されているタリバン代表者の写真を引用。2018年にモスクワで開催されたアフガニスタンに関する会議の一コマ。
アメリカとアフガニスタンタリバン代表の和平交渉が進行中
1月26日カタールで6日間にわたり行われていたアメリカとアフガニスタンタリバンによる直接交渉が終了したことが報じられました。時事通信をはじめ日本語でも多数報道されていますので、まずはコチラの日本語記事をご参照下さい。
今回インパクトが大きかったのはアメリカとタリバン双方の直接対話が公に報じられたことです。過去両者が対話している可能性は漏れ伝わってきていましたが、協議後に双方がその内容の一部を正式に公表することはありませんでした。
これまで、国連によるアフガニスタン支援ミッション(UNAMA:代表は日本人の山本忠道さん)はタリバンとの交渉を担ってきていましたのでタリバンが国際社会との公式の対話に応じていなかったわけでもありません。しかしながら、タリバンが長年求めていたアメリカとの公の直接対話を実現させ、そしてアメリカがタリバンを交渉相手として明確に認めたというのは大きな変化です。
さらに、公表された協議内容が、アメリカを中心とする外国軍による17年間ものアフガニスタン駐留を終わらせるための道筋であることも重要です。なぜならばタリバンが掲げる停戦条件の一つが「外国軍の撤退」だから。外国軍がアフガニスタンから撤退すればタリバンは国内各地への攻撃を止める可能性があるのです。
アメリカ政府としても17年にも及ぶ同国として「最長の戦争」を終わらせたいと考えています。経済的にも負担を軽減したいでしょうし、この17年間でアメリカ兵士の命が2400名以上失われていることも撤退に傾く要因と思われます。
2月1日のトランプ大統領のツイッターも特にアフガニスタンからの撤退と和平合意への意思を感じさせるものでした。
I inherited a total mess in Syria and Afghanistan, the “Endless Wars” of unlimited spending and death. During my campaign I said, very strongly, that these wars must finally end. We spend $50 Billion a year in Afghanistan and have hit them so hard that we are now talking peace…
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) February 1, 2019
【次ページでは・・・和平合意までにはまだまだ懸案事項が山積みです】