ミャンマー治安最新情報(2024年9月)/海外安全.jp


0.ミャンマーにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ミャンマー日本大使館:+95-(0)1-549644~8

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警 察 : 199

◎消 防 : 191

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

海外安全.jp代表
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1.総論

2021年2月以降ミャンマー軍が実質的権限を掌握し、民主派勢力に対し暴力行為も伴う弾圧を行っている点各国とも指摘しています。これに呼応して、民主化を求めるグループがレジスタンス的な活動を行っていることも踏まえ、日・米・英・豪ともに自国民のミャンマー渡航は推奨していません。英国のみ、首都ネーピドーや最大都市ヤンゴンを含む地域が緑色のリスク評価が緩い地域を設定しています。ただし、治安が極めて不安定でありいずれの国も自国民に対しミャンマーへの渡航をしないように呼び掛けるか、あるいは必要不可欠な渡航を除き渡航しないように呼び掛けている現状があります。

加えて、どの政府もバングラデシュ国境付近では仏教徒とイスラム教徒間の暴力的な衝突が発生しうる点警戒しています。

【海外安全.jpのコメント】

現時点で一般の方の旅行等でのミャンマー渡航はおススメしません。業務の関係上、ミャンマーへ渡航される方の大半は旧首都ヤンゴンや現首都ネーピドー、および旧王宮が残るマンダレーへいらっしゃるのではないかと思います。この地域に立ち入る場合には、事前に十分な現地情報を収集し、万が一の際の退避プラン等も立てた上で渡航することをおススメします。

2024年6月以降地方部を中心に反政府武装勢力の勢いが増している地域が広がっています。銃撃や爆発が日本人の活動エリア付近で発生したという報告もありますので、現地最新情報を十分に把握してからの渡航が必須です。

2.日本政府の危険情報

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「レベル3:渡航はやめてください」が設定されている地域

〇ラカイン州

マウンドー県(マウンドー地区、ブディタウン地区)、シットウェ県(シットウェ地区(除く市街地)、パウトー地区、ポンナチュン地区、ラテダウン地区)、ミャウー県(ミャウー地区、チャウトー地区、ミンビャ地区、ミェボン地区)

〇チン州

パレワ地区、ティディム地区、トンザン地区、ファラム地区、カンペレッ地区、マトゥピ地区、タンタラン地区、ハーカー地区、ミンダ地区

〇シャン州

コーカン自治地帯、クッカイ地区、クンロン地区、ナムカン地区、ムセ地区、ラショー地区、テインニー地区、コンジャン地区、ラウカイ地区、モーメイッ地区、マベイン地区、マントン地区、ナムサン地区、ナムトゥ地区

〇カチン州

ライザー周辺

〇ザガイン地域

インドー地区、バンマウ地区、コーリン地区、ピンレーブー地区、ミャウン地区、サーリンジー地区、パレー地区、インマービン地区、キンウー地区、タゼー地区、イェーウー地区、シュエボー地区、ウェッレッ地区、アヤードー地区

〇マグウェ地域

ガンゴー地区、ティーリン地区、ソー地区、パウッ地区、ミャイン地区

〇カヤー州

デモーソー地区、プルーソー地区、シャードー地区、ボーラケー地区

〇バゴー地域

タンタビン地区、オウッポー地区、ナッタリン地区、パウンデー地区、パウッカウン地区

〇タニンダーリ地域

タニンダーリ地区、パロー地区

〇カレン州

チャインセイッジー地区、コーカレイ地区

〇モン州

イェー地区

 

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域

首都ネーピドー、旧首都ヤンゴンを含む上記以外の地域(2021年2月21日レベル1より引き上げ)

なお、2013年前後にミャンマー各地で発生した無差別爆弾事件などを引き合いに、テロ等への警戒も怠らないよう呼び掛けています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

クーデター後の政情不安が続いていることを踏まえ2024年9月の時点で全土が「渡航を中止してください: Do not travel」に指定されています。
【以下は参考情報】新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前及びクーデター発生前までの治安レベルは以下の通りでした。

ラカイン州の一部、チン州の一部、カチン州の一部、カヤー州の一部、カレン州の一部、シャン州の一部(民衆争乱への警戒)

カチン州の一部、ラカイン州の一部、シャン州の一部(民衆争乱への警戒)

シャン州の北部、カチン州、ラカイン州、チン州の一部(地雷への警戒)

その他の地域

 

アメリカ政府は細かく地域を分類してアドバイスを発しています。アドバイスの背景にある情報は日本政府とそれほど変わらず、各地地元住民と政府関係者、ミャンマー軍との衝突に注意せよ、という内容が中心となっています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

2021年2月1日に発生した軍による事実上のクーデター以降一時全土が「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」を設定されていました。

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現在のリスクレベルは以下の通りです。

「渡航を推奨しません:Advise against all travel」

モン州

カチン州

チン州

カヤ州

カイン州

サギン、マグウェイ地区

ラカイン州

シャン州の北部

タニンタリ地区の北部

マンダレー地区の北部(マンダレー及びメイヨー)

バゴ地区のヤンゴンとマンダレーを結ぶ高速道路の東側

「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」

マンダレー及びタニンタリ地区の南側

シャン州の南部・東部

「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」

上記を除く地域(首都ネーピドー及びヤンゴン含む)

 

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大前(クーデター前)の治安リスク評価を参考までに記載します。

イギリス政府はラカイン州の大部分、チン州の一部、シャン州全域、カチン州の一部に対して「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」を設定しています。

その他の地域は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」としています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で多くの国でリスクレベルを引き下げられましたが、ミャンマーに対しては政情不安が継続していることから、全土に「Do not travel : 渡航を止めてください」が設定されたままとなっています。
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以下は新型コロナウイルス感染症拡大前の治安情報です。

オーストラリア政府はラカイン州及び南チン州のバングラデシュ接続部(マウンドー周辺)、シャン州北部に最も高いレベルの警戒情報である「Do not travel:渡航を取りやめてください」を設定しています。

それ以外の地域では他国同様カチン州、ラカイン州南部、チン州、シャン州および中国、タイ、ラオス、インドとの国境付近に「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されており、残る国土の大部分を「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」としています。

6.最近の治安ニュース

ミャンマー東部民兵らによる軍拠点占拠(2024年4月11日)

ミャンマー最大都市バス停での爆発事案(2022年5月31日)

ミャンマー民主派 軍政への戦闘開始宣言(2021年9月7日)

ミャンマー最大都市ヤンゴン市内での爆発(2021年8月30日)

ミャンマー国軍による国家権力奪取(2020年2月1日以降)

2019年8月15日早朝から中央部マンダレー州メイミョーの軍学校に対し、武装勢力が襲撃を実行しました。同校で働く民間人1名が死亡し、複数の軍人が負傷しています。

武装勢力は同時にマンダレー州及びシャン州内3か所にも攻撃を実行したと報じられています。

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