2025年3月17日インド中部マハラシュトラ州のナグプール市内で住民同士の暴動、衝突が発生し、30名以上が負傷、60名以上が逮捕されました。周辺には夜間外出禁止令が発令されていますが、現時点で暴動は沈静化しています。暴動や群衆には近づかないことが安全確保上の大原則です。
本事案はナグプール市内のマハール地区にムガル帝国第6代皇帝、アウラングゼーブの墓をマハラシュトラ州外へ撤去するよう求めるヒンドゥー主義的なグループが集結し、アウラングゼーブの肖像画等を燃やしたことが発端です。ムガル帝国はイスラム教による統治を行っていたこと、また燃やされた紙や布にコーランの一節が書かれていたとのうわさが広まり、イスラム教徒の住民らがヒンドゥー主義的グループと衝突しました。
群衆を解散させようとした警官らに対し、暴徒らが石を投げつけるなどの事態にまで暴動がエスカレートし、警官隊は催涙ガスを用いて群衆を強制的に解散させたほか、周辺一帯に法律に基づく外出禁止令を適用しました。一連の暴動で警官を含む30名以上が負傷し、60名以上が逮捕されています。
マハラシュトラ州選出の国会議員が住民に冷静になるよう呼びかけると同時に、暴力は法律によって裁かれる旨コメントするなど、警察や政治家らが事態の鎮静化を図っています。