2025年11月27日以降のサイクロン被害を受け、スリランカ政府は非常事態を宣言しました。これまで少なくとも159人が死亡、200人以上が行方不明となっています。土砂崩れの危険が続く地域への立ち入りはおススメできません
サイクロン・ディトワの接近に伴う被害は11月27日から始まり、豪雨により各地の河川が氾濫しました。28日には中央高地で土壌が飽和し、複数の地域で土砂崩れが発生、死者は69人に達しました。29日には死者が123人、行方不明者が130人に増加し、政府は救助活動を迅速化するため非常事態を宣言しました。この時点で約4万世帯が避難を余儀なくされ、軍や海軍が救助活動に投入されました。
30日には豪雨がさらに続き、観光地であるキャンディやバドゥッラを中心に被害が拡大しました。スリランカ政府災害管理センターは、2万戸以上の家屋が損壊し、約10万8000人が避難していると発表しました。停電や断水は国土の広範囲に及び、交通網も寸断されています。日本政府も緊急援助隊を派遣するなど、各国が緊急支援を開始していますが依然被害の全容は明らかにはなっていません
現地滞在中の方、渡航予定の方は、非常事態宣言下での行動制限を十分に考慮し、不要不急の外出を避けてください。特にケラニ川流域やキャンディ、バドゥッラ周辺では土砂崩れの危険が続いているため、危険地域への立ち入りは控えることを強く推奨します。加えて、災害に伴う停電や断水が広範囲で発生しているため、飲料水や食料の備蓄を確保し、通信手段を維持することが推奨されます。
さらに、現地では水が引いた地域における衛生状態の悪化、感染症の流行にも注意喚起がなされています。1)蚊が媒介するデング熱、チクングニヤ熱、(2)汚染された水・土壌への接触や汚染された食物の飲食により感染するレプトスピラ症、(3)一般衛生状況の悪化による、食中毒やA型肝炎、腸チフス、寄生虫症(アメーバ赤痢、回虫、条虫)などの経口感染症の増加のおそれがあります。



