警戒すべきデモの条件~香港民主化デモを題材に~

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デモによる影響を推測する基準

さて、長らく香港におけるデモの実情や最も規模が大きかった6月16日のデモ参加者数の話をしてきました。

安全対策の観点で、肝心なのはこうしたデモが海外で発生した際、日本人としてどのように身を守るか、という点です。一般論として日本人がこうしたデモに参加する意味はありません。海外旅行中であれ、海外赴任中であれ、よほどのことがない限り、地元の方々と一緒になって反政府抗議活動を行う必要はないはずです。このため、デモには一切近づかない、というのが安全対策の観点からは最善策となります。

しかしながら、デモに近づかなくても、デモの規模や治安当局の対応次第では日本人や日本企業・団体が思いがけない余波を被ることがあります。なぜならば、デモの規模が大きくなればなるほど交通事情が悪化し、普段通りに移動できなくなったり、治安当局が携帯電話を遮断したり、外出禁止令を発令するなど日本人を含む住民生活を制約したり、という事態につながるからです。

 

この記事の最後は当サイトがお客様にもお伝えしているデモの危険度判定フレームワークの一部をご紹介します。

 

デモによって日本人及び日本企業・団体の海外拠点がどの程度影響を受けるかを検討する要素は主に以下の4つです。

 

1)デモ参加者数の予想

2)デモの発生場所の予想

3)デモの強行度会い

4)国家・治安当局の対応方針

 

デモの参加者数が多くなればなるほど、デモ隊が占拠する地点が増え、交通の遮断確率も高くなります。また多くの人が集まるということは、全員が主催者の指示や意図に従わなくなる可能性が生じるということも意味します。人数が増えるにつれ、治安当局との接触や一般市民からの批判に対し暴力的な行為に及ぶデモ参加者も増えるというのは残念ながら過去の傾向から明らかです。

 

当サイトではおおむね15万人以上を危険信号(赤)と設定しています。

中山競馬場で行われる有馬記念の観客数が約10万人、日産スタジアムが満員になって6万5千人、東京ドームが満員になって約5万人、人気アーティストが一回のコンサートで動員する人数で数万人程度です。15万人が集まるデモがいかに大きな規模か伝わるでしょうか?

 

また、デモ参加者数が増えれば増えるほど、デモ隊が占拠する面積は拡大します。国会議事堂前や、特定の公園内だけで留まっていればたとえ集結した人数が多くても一般市民生活への影響はそれほど大きくありません。デモ隊が集まっている場所、治安当局と対峙している場所だけ避ければよいのです。もしかしたら普段の通勤、買い物経路が利用できないかもしれませんが、迂回することで影響は最小化できるはずです。

ただし、今回の香港のようにデモ隊が道路を移動し、デモ活動場所が面的に広がった場合は危険信号(赤)を設定しておくべきでしょう。ここまで規模が大きく、また面積が広がった場合は迂回した先にもデモ隊がいるという状況が予想されます。場合によっては市外に出られない、空港に到着できないといったケース、つまり万が一の際の避難経路が断たれてしまうこともあり得るでしょう。

 

 

日本ではあまり報道されませんが、世界各地で香港と同様の反政府デモは発生しています。大規模なデモが日本人の行動や日本企業・団体の現地業務にも影響することもあり得るのです。海外に渡航する場合、こうしたデモへの対策も頭の片隅では考えておかなければならないのです。

日本と同じ感覚で「デモはしばらくすれば収まるだろう」と現地に対応を任せていると、気づいたら避難できなくなっていた、生活必需品の買い物に行くのも危険だった、という事態になりかねません。デモや抗議集会が発生することが予測される場合には、どこで、どの程度の規模で行われるのか、治安当局はどんな対応をしそうか?参加者が暴力に訴える可能性はどの程度か、と言ったことを頭の中だけでも考える癖をつけることをおススメします。

この項終わり