エルサルバドル治安最新情報(2024年9月)/海外安全.jp


0.エルサルバドルにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在エルサルバドル日本国大使館   :+503 -(0)-2528-1111

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察 :911

◎救急 :132

◎消防 :913

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

日・米・英・豪いずれも渡航を妨げるほどのリスク評価はしていませんが、すべての国がエルサルバドルでの犯罪発生率の高さを指摘しています。特に銃を用いた犯罪も頻発していることが読み取れるトラベルアドバイスとなっています。犯罪集団も数多く存在しており、異なるグループ間での銃撃戦などの巻き添え被害にも注意が必要です。

また銃を用いないスリや置き引き等も多く発生しており、夜間の外出はおススメできない旨指摘があります。オーストラリアは首都サンサルバドルから出る場合には陸路ではなく空路を推奨しています。

政治的な不安定さや自然災害にも注意が必要とされています。

【海外安全.jpのコメント】

エルサルバドルでは一般犯罪、強盗いずれも日本とは比較にならない犯罪発生件数である点にまず注意が必要です。特に銃を用いた犯罪が多く発生していることを踏まえ、日本人の皆さんは日本とまったく環境が異なる点を認識する必要があります。

大きなテロこそ発生していないものの、犯罪リスク、政治リスク、自然災害等に十分な注意を払った上で渡航するようおススメします。渡航に先立って現地事情に詳しい旅行代理店・現地エージェント、知人などの支援を受けることが望ましいと考えます。

2.日本政府の危険情報

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「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」が設定されている地域

メヒカノス市、アポパ市、シウダ・デルガード市、コロン市、ケサルテペケ市、サカテコルカ市

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記を除く全土

危険情報レベル2が設定されている10の都市はエルサルバドル政府が「テロ組織」として認定している少年凶悪犯罪集団(マラス)の活動が活発な地域とされています。麻薬売買や銃を用いた強盗、恐喝、性犯罪等凶悪な犯罪が多発していることから脅威度が高く設定されています。また、マラスのグループ間での抗争も頻発しており、流れ弾による被害にも十分注意が必要である旨明記されています。

過去、エルサルバドル国内での大規模なテロは発生しておらず、日本人の被害もありません。ただし、大勢の人があるまる場所や公共交通機関等でのテロは世界的に多く発生していることから警戒を緩めないよう注意喚起されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

犯罪発生率が高いことを踏まえ全土に「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」のリスクレベルが設定されています。

渡航の際には徒歩での移動を避けることや車両であっても夜間の外出は控えること、銀行やATM等を利用するときには十分に注意すること、万が一強盗に遭遇した時には抵抗しないこと等詳細なアドバイスが並んでいます。

If you decide to travel to El Salvador:

  • Read the Department of State’s COVID-19 page before planning any international travel, and read the Embassy COVID-19 page for country-specific COVID-19 information.
  • Be aware of your surroundings.
  • Do not walk outside after dark. Do not drive to unfamiliar and/or remote locations after dark.
  • Do not physically resist any robbery attempt.
  • Be extra vigilant when visiting banks or ATMs.
  • Do not display signs of wealth, such as wearing expensive watches or jewelry.
  • Engage local guides certified by the national or local tourist authority when hiking in back country areas.
  • Enroll in the Smart Traveler Enrollment Program (STEP) to receive Alerts and make it easier to locate you in an emergency.
  • Follow the Department of State on Facebook and Twitter.
  • Review the Country Security Report for El Salvador.
  • Prepare a contingency plan for emergency situations. Review the Traveler’s Checklist.
  • Visit the CDC page for the latest Travel Health Information related to your travel.

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

現時点でイギリス政府は危険レベルを地図上の色分けや文言の形式で示していません。

エルサルバドルは世界的に見ても犯罪発生率が高い国の一つであると明記されています。特に首都サンサルバドルのダウンタウン地区や主要都市の路上等では安全に十分注意を払う必要がある旨記載されています。目立つ宝石類や高価な所持品は見えないように持ち歩くこと、パスポート、財布、携帯等スリ被害に遭わないよう注意喚起があります。

加えて、政治的な対立が暴力に繋がった事例が紹介されています。エルサルバドルでは外国人による政治的活動が禁止されていることもあり、政治集会、反政府抗議デモ等の近くにいた場合治安当局による拘束や強制送還の恐れがある点記載があります。このため群衆には極力近づかないようアドバイスされています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日、2023年11月14日付と順次けいかいれべるが引き下げられており、現在は全土が「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」に設定されています。

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暴力を伴う犯罪行為、特に銃を用いた犯罪が全国的に多発していること、夜間は更に発生件数が多いことが記載されています。首都サンサルバドール以外での陸路移動は道路上での強盗行為なども想定されることから避けるよう助言があります。

また、ハリケーンや火山活動等自然災害の可能性があることも明記されています。

6.最近の治安ニュース

エルサルバドル豪雨に伴う非常事態宣言(2024年6月17日)

エルサルバドル首都近郊での犯罪組織摘発強化(2022年12月3日)

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