アルメニア側は同国軍によるミサイルロケット発射を否定しています。アゼルバイジャン国内にあるもののアルメニア人が多数派を占めるナゴルノ・カラバフ自治州の政府幹部はギャンジャの軍基地を標的としたが、民間人の被害を避けるために砲撃を止めたと発言しています。
本件に対するアゼルバイジャン一般国民の反発は極めて強く、アルメニア側への報復を求める声も多く見受けられます。
9月26日頃から、アゼルバイジャンとアルメニアの間では軍事的緊張が高まっており、特に国境付近やナゴルノ・カラバフ自治州周辺では砲撃の応酬が繰り広げられるなど事実上の「戦争状態」になりました。10月4日にも両国間で砲撃の応酬が発生し、アゼルバイジャン国内ではフュズリ、タルタル、ジェブライル等ナゴルノ・カラバフ自治州周辺の都市で被害が発生している模様です。軍事的緊張の高まりに加え、外交的にも双方を非難し合う状況が続いており、解決の見通しは立っていません。
なお、両国とも国境周辺のみならず国全土に戦時下の戒厳令が発令されており、外出や移動等の制限がかかっています。
今般国境から約60キロ離れた都市部でもロケット砲ないしミサイルによる被害が発生したことで、「戦争状態」がより深刻化する可能性は否定できません。戦争時には個人レベルあるいは民間企業・団体レベルでの安全対策には限界がありますので、滞在中の方は状況に十分注意しつつ両国からの出国も選択肢として早めの検討をおススメします。