2024年5月上旬からドイツ国内で政治家やそのスタッフが暴力を振るわれる事案が相次いでいます。過去一週間の間に首都ベルリンやドレスデンで少なくとも3名の政治家、政党スタッフが暴行を受けています。欧州議会選が6月に迫る中、暴力行為が継続することも否定はできません。
直近報告されている政治家や政党スタッフへの暴力事案としては以下が挙げられます。
5月3日東部ドレスデン市内マティアス・エッケ欧州議会議員とそのスタッフに対する暴行を受けた事案
5月7日おなじくドレスデン市内で緑の党の選挙候補者2名が選挙ポスターを破られツバをかけられる事案
5月7日首都ベルリン市内で元ベルリン市長で連邦大臣も務めたフランツィスカ・ギフィ氏が鞄で殴られる事案
一連の暴力事案はそれぞれ犯人が異なること、また被害を受けた政治家/政党が同じではない点で直接的な関連性はないとされています。ただし、襲撃された政治家・政党はいずれも中道あるいは左派的な主張を行う政党であり、右翼的、極右的思想をもつ人物らによる攻撃である点は共通しています。欧州議会選を控え、各地で選挙キャンペーンが行われており政治家が市中で活動する機会は当面増えることが予想されます。不用意な暴力被害の巻き添えをうけないよう、滞在中の方は現地での政治集会や政治家とのタウンミーティング等への参加は控えるようおススメします。
なお、エッケ議員の襲撃後左派に近い政党関係者らがドレスデン市内で抗議活動を行っており少なくとも3000人が集結しました。数千人規模のデモ活動や政治集会はそれほど大きなものではありませんが、見かけた場合には速やかに群衆から離れることを推奨します。