ジャマイカ治安最新情報(2024年9月)/海外安全.jp


0.ジャマイカにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ジャマイカ日本国大使館   :+1 -876-(0)929-3338
(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察 :119

◎救急 :110

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

現時点で日・英・豪は犯罪発生率の高さを指摘しつつも、外国人を直接標的とした凶悪犯罪はそれほど多くないこと、自国民が深刻な被害を受けた事例が少ないことなどを勘案してそれほど脅威レベルを高めてはいません。他方、米国は犯罪発生件数の高止まりを理由に他三カ国と比してかなり強い注意喚起を設定しています。

凶悪犯罪について、発生件数が多いことは四か国とも指摘をしており、特に日本政府は中南米で人口当たりの犯罪被害者数が最も多いと言及しています。銃を用いた犯罪への警戒を緩めることなく、十分な注意が必要という点で、は四か国とも見解は一致しています。

また、凶悪犯罪の原因となっているギャングに対する取り締まりについては軍と警察合同で突然行われること、外出禁止令等が発令された場合には当局指示に従い安全な場所で待機するという記載も日・英・豪共通です。

【海外安全.jpのコメント】

ジャマイカでは人口当たりの犯罪発生件数が極めて高いものの、その被害者属性を踏まえれば外国人として一般的な観光は可能です。ただし、犯罪者集団が多く集まる場所や軍・警察による掃討作戦が行われている場所に不用意に立ち入らないよう、渡航前の下調べ、安全対策情報収集が重要になってきます。

また、銃やナイフ等を用いない一般犯罪も多いことから、スリやひったくり、置き引き等には常に注意するようおススメします。

加えて特に日本政府が記載している通り、薬物については日本人を含む外国人への売り込みが頻発しています。「ここ(ジャマイカ)では合法」と言われても、日本では所持しているだけでも違法となるケースがほとんどですので、絶対に薬物に手を出さないこと、中身のわからない荷物を絶対に預からないことを強く推奨します。

【参考情報】麻薬の運び屋役を直前で回避した事例

2.日本政府の危険情報

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首都キングストンを含め国土の大部分が「レベル1:十分注意してください」に設定されています。ただし、2023年2月27日、12月19日付と一部地区で凶悪犯罪事件数が増加しているとして、以下の地域が「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に引き上げられました。現状全国的に治安は悪化傾向にあると分析されているように見えます。

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域

セント・アンドリュー県(首都キングストン市を含む)、セント・キャサリン県、セント・ジェームズ県、ウェストモアランド県、クラレンドン県

 

国土の大半で危険情報のレベル事態はそれほど高く見えませんが、文章での注意喚起ではギャングに起因する凶悪犯罪、麻薬や銃器の違法取引等が頻発している旨記載があります。人口10万人当たりの犯罪被害者数は中南米で最も多い国とも言及されています。

ただし、外国人が直接的な標的となる犯罪は限定的とされており、ギャングが活動する地区(ホットスポット)への立ち入りを避けるようアドバイスがあります。また、軍と警察が合同で実施するギャング掃討作戦が突然始まり、外出禁止令が急に適用されることがある旨明記されています。こうした場合は掃討作戦に巻き込まれないよう十分な注意を払うよう記載があります。

過去日本人観光客相手に「ジャマイカでは合法だ」としてマリファナ等の違法薬物の購入を持ち掛けた事例が報告されています。知らないうちにバッグ等に薬物を入れ「運び屋」に仕立てようとするグループがいるとの情報も踏まえ注意喚起がなされています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土が「渡航を中止してください: Do not travel」に設定されていましたが、現在はパンデミックの影響を踏まえたリスクレベル設定は解除されています。

ただし、ジャマイカでの犯罪発生率の高さ、凶悪犯罪の多さから、以下の通りすべての地域に対し、「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」以上の厳しいリスクレベルが設定されています。細かく地域設定がなされていますので、詳細をご覧になりたい方はアメリカ国務省のウェブサイトをご確認ください。

クラレンドン、ハノーバー、キングストン、モンテゴ・ベイ、セントアン、セントアンドリュー、セントエリザベス、セントキャサリン、セントジェームス、セントトーマス、ウェストモアランド、マンチェスター、トレラウニー教区の一部

上記地域では暴力的行為の頻度が非常に高いことを踏まえ、大使館職員の立ち入り禁止を含め「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。

上記を除く全土

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

現時点でイギリス政府は危険レベルを地図上の色分けや文言の形式で示していません。

コロナ禍前には年間20万人以上のイギリス人がジャマイカに渡航していましたがほとんどのケースでトラブルは発生していない旨記載があります。ただし、首都キングストンでは犯罪発生率が高いこと、ギャングによる銃撃事件も多く発生していることが明記されています。現時点では警察に特別な権限を与える非常事態宣言は適用されていませんが、前触れなく、治安当局による強制捜査、身元確認などが行われうる点も記載されています。

そのほか、大規模な群衆を伴う抗議集会などの際には道路が封鎖されるといった事態もたびたび発生していることが記載されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付でジャマイカの全土は「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。

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相対的に強い注意喚起ではありませんが、ギャング等も含む暴力的な事件数が多いことを踏まえ、貴重品を持ち歩かないこと、特に夜間は出歩かないよう注意されています。

6.最近の治安ニュース

ジャマイカ首都西側での非常事態宣言(2024年8月14日)

ジャマイカ首都での銃撃戦(2024年5月8日)

ジャマイカ首都路上での日本人強盗被害(2024年2月)

ジャマイカ大麻入り菓子による多数の児童入院(2023年10月2日)

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