2025年3月19日付でブラジル南東部サンパウロ州保健当局が発表したデータによれば、サンパウロ周辺で黄熱病患者及び死亡者が増加しているとのこと。昨年12月から2月末までに20人が死亡しており、感染者数も32人に上ります。昨年同時期の死亡者数は1人であり、過去最悪だった2018年に次ぐ感染拡大に懸念が広がっています。
サンパウロ州保健当局によれば、バウル、カンピーナス、ピラシカーバ、サン・ジョゼ・ドス・カンポス等の地区で感染報告が多いこと、また2月に入って死亡者数が急増しており、昨年12月~2月までの死亡例20件の内11件が2月に確認されているとしています。昨年同時期の感染者数は2名であり昨年比16倍の32名に上り、死者数は1名から20名と昨年比20倍となっています。ブラジル全体で502人の感染が確認され、175名が死亡した2018年に次ぐ黄熱病の流行年になりえるとの指摘もあり、注意が呼びかけられています。
また、サンパウロ州保健当局によれば黄熱病感染者の81%がワクチン接種を受けていなかったことがわかっており、ワクチン接種の重要性も訴えかけられています。黄熱病はネッタイシマカが感染を媒介するウイルス性の感染症です。感染すると高熱や黄疸、臓器不全などが起こることがあり、死亡する可能性のある疾病です。予防措置として黄熱病ワクチンを接種すること、また流行地で蚊に刺されないようにすることが望ましいとされています。