エクアドル全土治安対策のための非常事態宣言

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2024年1月8日エクアドル大統領は全土を対象とした非常事態宣言を発令しました。国家警察と軍が全土で警備対策を強化し、状況によって犯罪者・犯罪組織の摘発を行うとしています。同宣言の期間中夜23時~翌朝5時まで夜間外出禁止令が適用されますのでご注意下さい。

 

本件非常事態宣言の直接的な引き金は拘束していた違法薬物組織の幹部が刑務所から逃走した事案の発生です。現在同幹部が収監されていた刑務所の関係者が拉致されており、同組織の関係者に連れ去られたものと見られています。本件を受け、昨年10月に選出されたばかりのノボア大統領は国内全土を対象として60日間の非常事態宣言を発令し、国家警察と軍に強力な警備権限を付与しました。逃走した薬物組織関係者の捜索・摘発が行われる見通しであり、状況によって治安当局と薬物組織構成員との間で突発的な銃撃戦が起こることも否定はできません。

併せて非常事態宣言の期間中は夜23時から翌朝5時まで6時間の外出禁止令が適用されます。この期間は治安当局、救急関係者等の例外を除き原則外出が認められません。滞在中の日本人皆様の行動には夜間外出禁止令を除き大きな影響はありませんが、非常事態宣言が発令中であることを踏まえ普段以上の注意が必要です。

 

 

追記

現地8日から9日にかけ、薬物組織の幹部脱獄を受けエクアドル各地の複数の刑務所内で暴動行為が発生しました。また、武装勢力が一時大都市グアヤキル市内テレビ局に侵入し、放送局スタッフや生中継の出演者らに銃を突きつける事態が発生しました。突入した警察特殊部隊によって全員逮捕されていますが、ピストルやショットガンに加え、手りゅう弾やダイナマイトも所持していたと報じられています。非常事態宣言及び夜間外出禁止令への注意もさることながら、現地治安情勢を踏まえて不測の事態に巻き込まれないよう安全を最優先とした行動が推奨されます。

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