2020年10月10日、アメリカコロラド州の州都デンバーで警察を支持するグループの集会と警察に抗議する集会の参加者の間でいざこざが発生し、発砲事案につながりました。この発砲により1名が死亡しています。
発砲したのは二つの異なる主張を持つグループの集会を取材していたKUSAテレビが雇用した民間警備員の一人でした。発砲した人物は事件直後に警察に身柄を拘束されており、取り調べが進められています。
アメリカでは、警察による黒人等への過剰な暴力に抗議する活動が続いている一方で、一部が暴徒化する黒人の権利擁護運動への批判、警察や治安要員を支持する声も広がっています。加えて、今後11月3日に向けて大統領選挙関連の選挙活動も活発化し、支持政党の違いや新型コロナウイルス対策への賛否、あるいは経済状況等による意見の違いが先鋭化してもおかしくはありません。民族や宗教、人種といった違いのみならず、目に見えづらい意見の対立が発砲事件等暴力的な行為にもつながりかねないタイミングと言えます。
銃が広く流通しており、銃を持つことも国民の権利の一つであるとの考えも根強いアメリカにおいて100%発砲事案を避けることは難しいと言えます。他方で、日本と違い発砲事案が身近に発生してもおかしくないという前提の下、万が一発砲音を聞いた場合や銃を持ったテロリスト等による犯行があった場合にどのような行動をとるか想定しておくことは安全確保の第一歩と言えます。