日本企業にも安全対策の文化を
当サイトでは、海外での安全対策に関する基礎知識、基本的なリスク予防策、緊急時の対応策等を繰り返しお伝えしています。いくつかのコラムをお読みいただければご理解いただけると思うのですが、安全管理についての当サイトの主張は主に二つ。
一つは「日本人/日本企業の海外での安全管理はまだまだ不十分」、もう一つは「海外での安全管理は一般的なレベルまでは誰でもできるようになる」というものです。
安全管理業務は、元軍人や警察OBのお仕事で一般的なオフィスワーカーにはできないお仕事、というわけでは決してないのです。もちろん安全管理業務に含まれる要人警護(ボディーガード)や銃や爆発物の取り扱いが必要な業務はプロ中のプロにお任せする必要があるでしょう。
しかしながら、
皆さんが出張する国・地域の治安情勢を出発前に調べておく、
同僚の連絡先を緊急連絡網にまとめる、
いざという時に組織対応の決まりをマニュアルに基づいて行う、
普段からマニュアル通りの行動ができるよう訓練する、
といったことは皆さんにもできるはずです。
安全対策はプロにお任せするもの、素人に手出しは無用、とお考えの方には繰り返しお伝えしたいと思います。いかに安全対策のプロ、その道のベテランと言えども、皆さんの行く手に常に張り付いて、24時間365日警護することは不可能です。ましてや大企業の海外展開先の全員を同時に守るために1人~数人でできることは限られているのです。
日常生活で自動車を運転するために、F1ドライバーライセンスは必要ありません。教習所で習う自動車と道路交通法の基礎知識、そして自動車の基本的な運転技術を習得すれば自動車を便利に使えますよね。安全対策も同じで、プロの手助けは必要ではありますが、ベストの安全対策はむしろこういった「誰にでもできる」はずの作業をないがしろにしないことです。
残念ながら、現状日本人や日本企業の多くはこの事実を認識できていません。海外でも日本と同じように行動して安全が確保されているといった勘違いを無意識のうちにやってしまっているのが実情です。代表の尾崎はこうした状況に強く警鐘を鳴らし、日本人/日本企業にも安全対策の文化を根付かせたい、という想いを常々語っているのです。
【次ページでは・・・代表の尾崎がセキュリティ専門家の団体で講演を行います】
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