各国政府の注意喚起、事件数統計などの変化にはアンテナを
海外での安全対策は対象となる国・地域の治安情勢に沿ったものとすること
国・地域の治安情勢は時々刻々変わりうるものであること
をご理解いただけたのではないかと思います。
このコラム最後のテーマはどのようにして「前提条件」の変化を把握すればよいのか、というものです。
世界各地でご活躍されている皆さんにとっては、たとえ日ごろ生活していたり、現地の方とやりとりしている国・地域でも、治安に関連するニュースすべてに目を通すことはほぼ不可能でしょう。(日本国内の治安情報を把握することすら難しいです)
しかしながら、治安情勢の変化は捉えたい。捉えなければいけない。
そのために活用できるツールとしてここでは2つご紹介します。
一つは日本政府外務省が提供している「たびレジ」サービス。日本にいる方も海外にいらっしゃる方も活用可能で、指定した国の最新治安情報がメールで流れてきます。例えば本日スリランカから流れてきたのは以下のような情報。
前のページでご紹介した三つの変化例のうち
「政治情勢の急変に伴い、与野党の支持者同士が衝突する」
に該当しますね。
もう一つのツールはWorld Terrorism Indexやアメリカ国務省発表のテロ発生レポートと言った定期的に発表される治安事件の統計です。こちらは、年に一度の公表が多いですが、例えばWorld Terrorism Indexは毎年11月ごろ、国務省のレポートは毎年9月ごろの発表と、タイミングが決まっています。
毎日の治安情勢確認は難しくとも、
年に数回信頼のおける治安事件数統計が発表されることを知っておく、
「要約」と主要なグラフを眺める癖をつける、
の二つを実践するだけでも、安全対策見直しが必要かどうか、判断しやすくなるのではないでしょうか?
この項終わり