会計検査院報告を他山の石に

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安全対策設備は使ってナンボ

 

日本政府のレベルから個別企業、個人のレベルに至るまで、世の中には

 

 買ったはいいけど使われない

 設備や機械を導入したのに、問題が解決しない

という事例は枚挙にいとまがありません。

その延長線上で、実は企業の安全対策措置についても「買えば大丈夫でしょ?」という考えが蔓延していることがよくあります。

 

防弾車を買えば大丈夫でしょ?

⇒いいえ、防弾車は車体重量が一般車両の約三倍。運転技術もメンテナンスも一般車両と違います。何十発も銃弾を浴びると車内に弾丸が入ってきます

 

警備員を雇っておけば大丈夫でしょ?

⇒いいえ、警備員の能力や勤務態度を定期的にチェックしないと必要な時に守ってもらえません。気づかないうちに警備員が不満をため込み、犯罪者と内通してしまったらどうなるでしょうか?

 

監視カメラを設置すれば大丈夫でしょ?

⇒いいえ、監視カメラそのものは犯罪行為を防げません。カメラ映像を常にチェックし、必要な時には初動を指揮できる有能な人物と警備員の運用がなければただの飾りです

 

といった勘違いはよく見受けられます。安全対策のための機材や設備を購入し、導入すれば確かに安全対策措置を講じたことにはなります。ただし、その運用ができなければ、また実際に使う海外事業現場の方に活用してもらえなければ危険度は全く変わらないのです。むしろ買ったこと、導入したことで慢心してしまうとより危険にさらされる可能性も否定できません。

設置から時間が経って気泡が入ったガラス飛散防止フィルム。効果が担保できないため定期的な張替えが必要

 

 

会計検査院が指摘した無駄遣いは納税者としては批判すべきこと。ただし、自分の身の回りに似たような事態が発生しているのであればぜひ「他山の石」とすべきです。安全対策のための機材や設備を使わないままにしておかないよう、是非とも活用してください。

 

この項終わり