北マケドニア治安最新情報(2024年8月)/海外安全.jp


0.北マケドニアにおける日本人向けの緊急連絡先

2019年2月13日より旧「マケドニア共和国」は「北マケドニア」に国名を変更しています。

◎在北マケドニア日本国大使館 :+389 -(0)2 -3118-063

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察/救急/消防 112 (EU共通)

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

北マケドニアに対しては、各国政府とも安全度は比較的高いと評価しています。アメリカ政府のみ強い注意喚起は発しておらず、日本政府とイギリス政府は全般的に安全としながらも、北西部では組織犯罪、武装勢力の活動が観察されていることから、他地域よりも警戒を強めるようアドバイスされています。オーストラリアが最も警戒レベルが高く、全土に対し5段階中真ん中の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」を設定しています。オーストラリア政府の警戒の背景はテロの可能性が否定しきれないこと、また政治的なデモがしばしば暴力的になりうることが背景とされています。

 

一般犯罪に分類されるスリ、ひったくりは日本と比較して多発しているとされており、日本政府は特に子供らによる集団スリに注意するよう明記しています。

【海外安全.jpのコメント】

各国政府とも、北マケドニアへ渡航する国民への注意喚起は現時点で最小限です。単独もしくは数人の実行犯による小規模な攻撃等、テロに分類できる事件も完全に否定できるものではありませんが、大規模なテロの標的としてあえて北マケドニアを狙う理由は見当たりません。

 

他方で、この地域からイラクやシリアに拠点を保有していたISに参加した人間が複数いることも事実であり、実際に北マケドニア当局が不穏分子を拘束したとの報道もなされています。現時点で問題が顕在化していませんが、潜在的な不安定化要因となりうることは認識しておく必要があります。

 

スリや置き引き等の一般犯罪は大都市で多く観察されており、日本政府はもちろんイギリス政府、オーストラリア政府も注意喚起を発しています。オーストラリア政府を除き、首都スコピエ等北マケドニア国内の観光地に色を付けて警戒を促している国はありませんが、北マケドニアを旅行する際には「日本とは違う」という意識をもってご自身の安全を確保されることをおススメします。

2.日本政府の危険情報


大部分の地域に対し、特段の注意喚起はありません。

北西部及び西部ではアルバニア系武装勢力と治安当局の間での衝突が懸念されることから、他地域よりも一段高い危険情報「レベル1:十分注意してください」が設定されています。ただし、首都スコピエ及びその周辺はレベル1の対象外です。

 

また、スリ、ひったくりといった一般犯罪が多発していることが明記されています。特に子供らによる集団スリの被害が発生している点、具体的に言及があり、貴重品管理のための防犯アドバイスが詳細に記載されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土が「渡航を中止してください: Do not travel」となっていましたが、2022年4月19日付で新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに戻されています。


全土

特段の注意喚起はありません。

全土が「一般的な注意を払ってください:Exercise normal precaution」の対象となっています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

イギリス政府は危険レベルを地図上の色分けや文言の形式で示していません。

特段強い注意喚起は記載されていませんが、北西部コソボとの国境付近では組織的な犯罪が多発していることを踏まえ、他の地域よりも警戒を高めることが推奨されています。

2023年7月20日付で北マケドニアでの英国人/英国権益へのテロリスクは一段下がったとの記載が追加されました。ただし、同国内でテロが発生する可能性は否定できないとの記載は残っています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日、2023年3月17日と順次リスクレベルが引き下げられ、現在はパンデミック前と同じ「一般的な注意を払ってください:Exercise normal safety precautions」に戻されています。
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テロの危険性が排除できないこと、また政治的なデモが時として暴力的になる可能性があることが注意事項とされています。このため、常時身の回りに注意を払い、滞在中な地元報道なども確認するよう呼びかけられています。

6.最近の治安ニュース

北マケドニア公道上でのアラチノボ市長銃撃事案(2024年4月1日)

2019年2月4日首都スコピエ市内のマブロフカモール内でグレネードランチャーを用いた発砲事案が発生しました。

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