2022年5月30日アルメニア首都エレバンで首相退陣を求める群衆と治安当局が衝突しました。群衆は一時幹線道路や地下鉄を封鎖し、一般生活にも影響を及ぼしています。
群衆は4人の大臣が執務する政府庁舎に向けて行進し、建物への侵入を試みました。これを受け、治安当局は群衆解散のために強硬手段を用いたとされており、少なくとも100名が逮捕されたと報じられています。
本件の背景には隣国アゼルバイジャンとの領有権問題及び昨年同国との間で行われた軍事衝突の対応への不満があります。5月28日、アゼルバイジャンとアルメニアの間で結ばれた停戦合意に違反し、アゼルバイジャン側が攻撃を行ったことが要因でアルメニア人兵士1名が死亡したと発表されています。アゼルバイジャンへのより強硬な対応を求める声も根強く、こうした背景を踏まえアルメニア国内で現政権に対し一定数批判的な受け止めを行っている層がいることは認識しておくことが必要です。