代表の尾崎です。
暑い日が続いています。熱中症でお亡くなりになった方には心からのご冥福をお祈りするしかありません。
この先も暑さはそう簡単に収まらない様子。「災害レベルの暑さ」という聞きなれない表現を使ってまで政府が警告を発していますので、どうぞ体調管理には十分お気を付けてください。
「自転車スマホ」での単独事故を目撃
さて、昨晩徒歩で帰宅途中で会社員と思しき男性がスマートフォンを操作しながら自転車で私を抜いていきました。危ないのになぁ、と思いつつ様子を見ていると、曲がり角で電柱に衝突し、あやうく転倒するところでした。
幸いにして、自転車のペダルか後輪が電柱にぶつかっただけですので、怪我はなさそうでした。また、周囲には私しかいませんでしたので、誰かを怪我させたわけでもありません。とはいえ、安全管理を生業にしている私としては複雑な気持ちになりました。
海外での安全管理同様、日本国内でも意識せずにご自身を危ない状況に置く人がまだまだいるのだなぁ、と痛感させられたからです。
新聞等で
スマホを操作しながら歩いていて電車と接触した、
ゲームをしながら運転していて、人を轢いてしまった、
といった記事を見ることはありましたが、自分の目で直接「ながらスマホ」に起因する事故を目撃したのは初めてです。実際に目撃して見ると、本当に危ないということがよくわかりました。今回たまたま死傷者が出ていませんが、同じような行動を繰り返しているうちに、どこかでもっと重大な事案が発生しそうです。
過去の「自転車スマホ」、最悪の事態
昨年2017年の末、神奈川県で発生してしまった悲しい事故を覚えておられますでしょうか?女子大生が「自転車スマホ」をしていて歩いていたおばあさんに気づかず、衝突してしまった事故です。ぶつかられたおばあさんは大変不幸なことに頭を強く打ち、脳挫傷でお亡くなりになってしまいました。
この事故の場合、加害者側は以下のような行動をとっていた、と報じられています。
・左手でスマホを操作していた
・右手に飲み物を持っていた
・左耳のイヤホンで音楽を聴いていた
・加速がつきやすい電動アシスト自転車に乗っていた
・ブレーキはかけられない状態だった
・事故当時「おばあさんの存在に気付かなかった」と話している
これらはすべて加害者側が選択した行動であって、どうしてもそうせざるを得なかった、という行動はありません。どう考えても、自分自身で危ない要素を積み上げて行って、結果最悪の事態になってしまったと言えますね。(加害者は重過失致死罪で起訴されており、8月30日に判決が言い渡される予定です)
この事故の際、尾崎が感じたのは
「ぶつかったのがおばあさんだったことで、この女子大生は加害者になり、一生罪を背負うことになった。でも反対に車道に飛び出して自動車にぶつかったなら被害者になり一生がそこで終わり、別の誰かに罪を背負わせることになっていた」
ということ。
もしこの女子大生が車に轢かれて死んでしまったとしても、大多数の方は同情してくれそうにありません。ご両親や友人なども彼女自身がリスク要因を次々に増やしてしまった結果の死亡では、気持ちのやり場もなくなってしまいそうです。
皆さんが世の中で活躍できるのも、ご家族や友人と楽しく過ごせるのも、ご自身の趣味を満喫できるのも、海外で見分を広められるのも取り返しのつかない事態の加害者・被害者にならないことが大前提。この事件は極端なほど最悪のケースですが、皆さん自身も似たようなことをしていないか、今一度ご確認ください。
リスクを自ら積み増さない!
「自分(だけ)は大丈夫」はありえない!
当たり前のことではあるのですが、「ながらスマホ」はいいことが一つもありません。周囲への注意が散漫になるため、交通事故のリスクやひったくりのリスクを自分の行動選択によって積み増していることになるということを改めて認識してください。
混雑した電車や不特定多数の人が集まる場所で、スマホに没頭したり、周囲の音を遮断するようなイヤホンの使い方もおススメできません。極端な仮定ですが、万が一爆発や銃撃があっても気づかない可能性すらあります。より皆さんが被害を受けそうなのはスリや痴漢といった犯罪でしょう。スマホにせよイヤホンにせよ、周囲への注意を散らす原因を自分の行動選択によって積み増した結果、被害に遭う確率を高めていると言えます。
なぜこういうことが起こるのか。
尾崎自身の仮説ではありますが、皆さんどこかで「自分(だけ)は大丈夫」だと思っているのではないかと思うのです。
自分が犯罪や事故の被害に遭うなんて想像できない
これまでも同じようにやってきたから自分は大丈夫
スマホ見ながらでも周りに注意はできるから問題ない
こうした考えをしているのではないでしょうか?
ただ、世の中にあふれる「ながらスマホ」の事故例はいつ皆さんに起こってもおかしくありません。「ながらスマホ」だけなら多少は何とかなるとしても、それが当たり前になると、無意識のうちに追加のリスク要因を積み増してしまうことだってあり得ます。(飲み物を持つなどして両手をふさいでしまい、とっさの対応が取れなくなる等)事故に遭ってはじめて「ああ自分でリスクを積み増していた、自分も大丈夫じゃなかった」と気づいても遅いのです。
尾崎が目撃した軽微な事故まで含めるなら、「ながらスマホ」による事故は他人事ではありません。どうか、皆さんと、皆さんの周囲の方が不必要に不幸にならないよう、日本国内はもちろん、海外でもリスクを積み増すような行動は選択しないよう、お願いしたいと思います。