2025年3月12日モザンビーク首都マプト市に隣接するマトラ市内で中国人実業家が誘拐されました。現地で経営していた店舗に対し銃で武装した一団が侵入し実業家だけを車両で連れ去りました。本件は標的を定めた身代金目的の誘拐と推定されています。
本事案が発生したのはマトラ市内T3地区の10月4日通りに位置する窓ガラス販売店です。現地午後4時頃に銃で武装した4人が店内に押し入り、店舗経営者である中国人だけを連れ去ったとのこと。犯人と被害者の行方は現時点でわかっておらず、担当警察署が捜査を継続しています。犯人グループと被害者の間に金銭等個人的なトラブルがあったのかは不明です。ただし、誘拐という犯罪の性質上、無差別に日本人を含む外国人等が類似被害に遭うことは想定されません。
誘拐はATMに連れていき現金を引きだせば解放するという強盗に近い「電撃誘拐」を除けば長期駐在者に特有のリスクと言えます。標的を定め、下見や計画を行った上でなお誘拐した被害者を一定期間見つからないように生活させる必要があるため実行の難易度が高い犯罪手法です。
被害に遭わないために長期駐在者は生活・行動パターンを一定にしないこと、また不用意に身分を知られないようにすること、自宅や会社等を出るときに不審な人物や車両がいないかの確認を怠らないことなどが推奨されます。