パキスタン、インド間の紛争再燃の可能性

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2019年4月7日パキスタンのクレシ外務大臣は記者会見の中で

 

「インドが今月16日~20日の間に再度パキスタンへの攻撃を計画している確かな情報がある」

 

と述べました。

インドの外務省報道官はこの発言を否定するとともに、クレシ外務大臣はパキスタンに拠点を持つ過激派武装勢力にインドを攻撃するようけしかける動きだ、と批判をしています。

 

現時点で両国間に大きな軍事的動きは観察されていません。しかしながら、本年2月下旬、インドとパキスタンの間では双方が暫定的な国境線を超え、お互いに空爆や戦闘機の撃墜を行うなど軍事的な衝突が発生しています。

パキスタン(赤)とインド(黄色)の双方がカシミール地方の領有権を主張している(CNNのHPより抜粋)

パキスタンとインド間の緊張の高まりを受け、2月27日からはパキスタン政府は同国領空の一切の飛行禁止措置をとり、民間機の離発着、領空通過が一切できなくなりました。このため、パキスタンからの空路での出国ができなくなった他、東南アジアからヨーロッパ等への航空機にも多数の欠航が生じています。

パキスタン政府は現在も一部の地域に領空飛行禁止命令を出しており、今後インドとの紛争がエスカレートした場合には再度全面的な領空飛行禁止命令が発せられる可能性も否定できません。

 

在パキスタン日本国大使館は4月8日付で同国の在留邦人に対し以下の注意喚起を発しています。

 

4 つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、最新の情報を入手し安全確保に努めて下さい。また、更なる緊張の高まりにより、緊急事態が発生した場合に備え、自宅に十分な水・食料の備蓄を検討して下さい。加えて、旅券の残存有効期間を確認して下さい。タイ、シンガポール、アラブ首長国連邦を始めとする周辺国への入国のためには旅券の残存有効期間が6か月以上必要ですので、旅券の有効期限が1年未満となった場合には速やかに来館し、旅券の更新を行うとともに、当国の滞在査証がいつまであるのかについても、併せてご確認をお願いします。

5 カシミール地方の一部には、外務省はかねてより危険レベル4(退避勧告)、レベル3(渡航中止勧告)を発出しているところ、同地域への渡航はやめてください。また、レベル4の地域に既に滞在されている方は、退避してください。

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