アルジェリア治安最新情報(2024年11月)/海外安全.jp


0.アルジェリアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在アルジェリア日本国大使館   :+213-(0)21-912004

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察 :17 、1548

◎救急 :3016

◎消防 :14

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

アルジェリアに対しては、いずれの政府もリスク評価はほぼ一致しています。ただし、イギリス政府発表の地図上では国土の大部分が緑色(「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」)となっており、他国政府よりも一段注意喚起がやや弱くなっています。
ただし、いずれの政府も全国的に誘拐やテロ、また反政府デモ等への強い注意喚起が記載されており、全体的に渡航を控えるよう呼びかける文言が目立ちます。いずれの国も陸路での国内移動は極力避けること、都市部以外での移動の際は信頼できるガイドを雇用すること、単独行動や夜間移動を避けること、といった注意喚起が共通しています。

【海外安全.jpのコメント】

2013年1月に南部イリジ県イナメナスの天然ガスプラントで日本人10名を含む48名が死亡した事案が発生した国です。現在に至るまで、アルカイダやISISに関連する複数の武装勢力の活動が確認されており、治安当局は抑え込みの努力を継続していますが治安が十分に改善したとは言えない状況です。

特に南部、サハラ砂漠地帯では武装勢力の活動が活発であり、よほどの理由がない限り、個人での旅行はおススメできません。旅行をする場合には信頼できる政府公認ガイドを雇用し、彼らの2021年6月に行われた議会選挙はある程度無事に終了しましたが、政治的には不安定な状況が続いています。首都アルジェではしばしば民衆による反政府デモが発生しており、その一部では暴力的な行為も観察されています。

首都アルジェ市内をはじめ大都市では強盗、窃盗、自動車盗、車上狙い、引ったくりや薬物犯罪等が増加しているとの報告もあります。比較的テロや誘拐の少ない北部の都市圏であっても日本とは違う治安環境であることを認識し、十分注意の上滞在するようおススメします。

2.日本政府の危険情報


「レベル4:退避してください。渡航は止めてください」が設定されている地域
リビア、ニジェール、マリ、モーリタニアとの国境地帯

イリジ県イナメナス地区

「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域
テベッサ県

ヘンシェラ県

エル・ウェッド県及びウアルグラ県のチュニジア国境地帯

ベジャイア県のベジャイア地区から西の地域(ベジャイア地区を除く)

ティジ・ウズ県のディジ・ウズ市街地以外

アイン・デフラ県

イリジ県(レベル4地域を除く)

タマンラセット県(レベル4地域を除く)

アドラール県南部地域(レベル4地域を除く)

「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」が設定されている地域

バトナ県

ブイラ県

ベジャイア県のベジャイア地区から東の地域及びベジャイア地区

ブーメルデス県

ティジ・ウズ県のティジ・ウズ市街地

ティンドゥーフ県(レベル4地域を除く)

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記を除く全土

アルジェリアは治安情勢が安定しておらず、テロや誘拐、デモ、一般犯罪のいずれのリスクも存在していることが記載されています。特にテロについては多くの武装グループが地方部で活動を継続していることが詳細に記載されています。

アルジェリア国内では可能な限り空路で移動すること、また砂漠地帯に滞在する場合は義務付けられている政府公認ガイドを雇用し、単独行動を避けること、また指定された観光コース以外の地域や国境地帯に絶対に近づかないこととの記載もなされています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土に「渡航を中止してください: Do not travel」のリスクレベルが設定されていましたが、2022年4月18日付で新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに戻されています。

・東側(チュニジア、リビア)及び南側(ニジェール、マリ、モーリタニア)との国境付近

・サハラ砂漠地帯(具体的な県名は指定されていません)

テロや誘拐の危険性が極めて高いため、最もレベルの高い注意喚起である「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。(2020年まではチュニジアとの国境からは50キロ以内、リビア、ニジェール、マリ、モーリタニアとの国境からは250キロ以内に立ち入らないよう注意喚起がなされていました)

上記の地域を除く全土

国境や砂漠地帯を除く主要都市部においてもテロや誘拐の危険性があることを踏まえ、「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。

全国的にテロリストグループの活動が観察されており、注意が必要である旨記載があります。テロの多くは地方部で発生しているものの、都市部で発生してもおかしくないとの指摘もあります。

また、アルジェリア滞在中、特に大都市の外に出かける場合は現地当局に自身の旅程を通知すること、できるだけ空路で移動し、陸路で移動する場合でも幹線道路を外れないようにすること、といったアドバイスが記載されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されている地域

・南部および東部、リビア、モーリタニア、マリ、ニジェールとの国境から30キロの地域

・チュニジアとの国境から30キロ以内のイリジ県、ウアルグラ県内のエリア、チャンビ山岳地帯(テベッサ県)

「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」

・チュニジアとの国境から30キロ以内(「渡航を推奨しません」の設定地域を除く)

「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」

上記を除く全土

地図上大部分が緑色で表示されているものの、全国的にデモやテロのリスクが高いことが記載されています。特に南部で武装集団による誘拐リスクが高いことが明記されています。不慣れな場所で単独移動すること、特に夜間の移動は極めてリスクが高い旨注意喚起されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。

その後順次リスクレベルが引き下げられており、現在は新型コロナウイルス感染症拡大前よりも一部地域は低いリスクレベルまで引き下げられました。

algeria-aus-level

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

5段階中最もレベルの高い「渡航を取りやめてください:Do not travel」が南部マリ、ニジェールとの国境から450キロ以内、モーリタニア、チュニジア、リビアとの国境から100キロ以内に設定されています。
首都アルジェを含む国土の大部分は「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。

全国的にテロの脅威、特に西欧諸国関係者、関係機関に対するテロが懸念される旨強く注意喚起されています。また、誘拐のリスクが高いことも明記されています。アルジェリア滞在中は常に身の安全に注意するよう呼びかけられています。

郊外地区の国内の陸路移動は極力避けるよう注意喚起がなされています

6.最近の治安ニュース

マリ北部アルジェリア国境でのロシア傭兵襲撃事案(2024年7月25日)

アルジェリア北部山火事による被害拡大(2023年7月)

アルジェリア反政府抗議活動(2021年2月16日)

2013年1月13日、アルジェリア南部イリジ県イナメナスの天然ガス精製プラントに対し、大規模な襲撃テロが発生しています。株式会社日揮もこのプラントプロジェクトに参加しており、合計10名の同社関係者が亡くなっています。

参考:NHKクローズアップ現代の特集番組HP(2013年1月21日放送)

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