2016年のテロ事案は飲食店で夕食を食べていた一般人20名(うち日本人7名)がテロリストグループの襲撃によって殺害された事案です。バングラデシュの歴史上でも最も悲劇的なテロ事案であり、同国は本事案以降現在進行形で治安対策、特にテロ対策を強化しています。
ただし、バングラデシュ国内にはISISの思想等に影響された過激な思想の持ち主や、イラク、シリア等での戦闘経験を持つバングラデシュ人等が帰国している可能性が指摘されています。2016年のテロ事案直後ほどの頻度ではありませんが、現在もしばしば治安部隊による掃討作戦などが継続しています。
こうした環境の下、インパクトのあるテロを実行したグループ関係者への有罪判決が下される見込みであり、潜伏している過激思想の持ち主らによる反撃の意味を込めたテロが発生してもおかしくない状況と言えます。現地治安当局は首都ダッカを中心に警戒を高め、治安要員を増員しています。
滞在中の方、また今後仕事や旅行等でバングラデシュに渡航される方は、こうした経緯をご理解した上で出発するようおススメします。また現地滞在中はテロの巻き添え被害に遭わないよう最新の現地情報や、在バングラデシュ日本国大使館等からの注意喚起などにも気を配られることをおススメします。2016年テロ事件直後に比べ各国が発出しているバングラデシュ向けトラベルアドバイザリーも徐々に下がってきていますが、油断してよい状況ではありません。