カンボジア治安最新情報(2025年7月)/海外安全.jp


0.カンボジアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在カンボジア日本国大使館    :+855-(0)23-217-161~164

◎在シェムリアップ日本国領事事務所:+855-(0)63-963-801~803

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察: 117

◎救急: 119

◎消防: 118

◎プノンペン警察          :012-999-999

◎プノンペン警察ツーリストポリス  :012-942-484

◎シェムリアップ警察ツーリストポリス:012-402-424

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

カンボジアに対しては、各国政府とも比較的安全だと評価されています。自国民向けのリスクレベル設定において慎重な評価をすることが多い、オーストラリア政府が日本政府よりも一段低めのレベル設定をしている点が特徴的と言えます。ただし、アメリカ政府はプノンペン市に対し、ひったくりや強盗等の犯罪被害が多発していることを背景に、他国よりも一段高い危険レベルが設定しています。

カンボジアではここ10年ほど大規模なテロ事案は発生しておらず、どの政府もテロへの強い注意喚起はありません。他方で、各国政府とも犯罪被害に十分注意するよう呼び掛けています。

上記に加え2025年7月中旬からタイとカンボジアの間で地域限局的な軍事衝突が発生しています。日・米・英・豪すべての政府が当該地域のリスクレベルを引き上げた他、各国とも注意喚起を追記しています。

【海外安全.jpのコメント】

各国政府とも、カンボジアへ渡航する国民への注意喚起はそれほど強くありません。現在の世界情勢を踏まえるとテロがまったく起こらないとは言えませんが、最低限の注意で安全に過ごせる国と言えます。

他方で、内戦の名残により銃が広く流通していること、また内戦時代の地雷が依然として遠隔地に眠っていることは大きなリスクです。日本とは違い、奪われた金品を取り返すことは命まで奪われる危険を冒すことにもつながりますので注意してください。

なお、2025年7月時点ではタイとカンボジアの国境付近には不用意に近づかないことを強く推奨します。

2.日本政府の危険情報

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国土のほぼ全域に対し、「レベル1:十分注意してください」が設定されています。

危険情報が設定されている背景は首都プノンペン市を含め凶悪な犯罪が発生しているためです。日本人も路上で強引なひったくり被害に遭う事例やホテルの部屋への侵入盗被害に遭う事例が紹介されています。

特にひったくりはプノンペン市のみならず観光地のシェムリアップ州(アンコールワット遺跡含む)をはじめ全土で発生しています。加えて奪われた金品を取り返そうとした際に銃で撃たれるといった被害も発生しています。強引なひったくり等に遭遇した場合、命を守ることを最優先し、無理な抵抗をしないように注意喚起があります。

2025年7月25日付で隣国タイとの国境付近で発生した軍事衝突に伴い、タイとの国境すべてから30キロの範囲とウドーミエンチェイ州全域、プレアビヒア州チョアム・クサーン郡に対する危険情報が二段階引き上げられ「レベル3:渡航は止めてください。」が設定されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されている地域

2025年7月に発生した軍事衝突の影響で隣国タイとの国境付近に高いリスクレベルが設定されています。

「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されている地域

上記を除く全土

これらに加えて、プノンペン市では犯罪発生件数が多いこと、バッタンバン州、バンテアイ・ミアンチェイ州、ポーサット州、シェムリアップ州、パイリン州、コンポントム州の主要都市から離れた地域では地雷が残存していることが明記されています。

 

プノンペン市では暴力を伴う犯罪、強盗や性犯罪等が多発している旨記載されており、注意を要する旨明記されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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国土の大部分には「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」に設定されています。ただし2025年7月25日付でオッドーミアンチェイ州、プレアビヒア州のタイとの国境付近50キロ以内には一段階高い「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されました。

また、カンボジアに旅行したイギリス人がしばしば強盗や襲撃被害に遭っている旨記載があり、注意喚起されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

2025年7月26日付でタイ国境から50キロの範囲に最も高いレベルの「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されました。

首都プノンペンを含む残る全土に対しては特段の注意喚起はありません。ただし、常識に従って、不審な動きをする人物や不審物があれば警戒するように呼び掛けています。

6.最近の治安ニュース

タイとカンボジア国境付近での軍事的緊張の高まり(2025年5月末~)

在カンボジア韓国大使館に対する攻撃警戒(2024年5月2日)

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