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被害軽減措置(Mitigation)は完全無欠ではない

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被害軽減措置は、正しく運用して初めて意味がある

同様に、防御壁や防弾チョッキも使い方や設計思想を理解できないまま、導入するだけでは実は意味がないことがあります。どれだけ壁を厚く、高くしてもそれを破壊できてしまう爆発物は作り得ますし、防弾チョッキにしても実際に着る人が正しく着用できなければ、銃弾が隙間から人体に命中し、致命傷を負ってしまうこともあり得るのです。

(もっとひどいケースでは防弾チョッキの着方がわからない、暑い&重いので緊急時にも着なかった、という事例も起こり得ます。実際にベトナム戦争時は戦闘のプロであるはずの米軍兵ですら暑いからという理由で防弾チョッキを着ておらず、そのために「救えるはずの兵士の命」が失われたという歴史があります

 

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米国防省が公表している「ハイリスクエリア建物建築基準」でも同じ保護フィルムを用いても窓の防御力が変わることが説明されている

 

予算を配分した本部・本社側からすれば、安全対策のために投資し、被害軽減措置を導入したのだから大丈夫、と思い込みがち。しかしながら、モノはあくまでモノでしかありません。各種の製造機械や営業用IT端末と同じで、モノを導入すれば経営課題が解決するわけではないのは、賢明な経営者の皆様であればご理解いただけるはず。

 

そう、被害軽減措置も完全無欠ではないのです。設備投資はもちろん大事ですが、それ以上に重要なのは、被害軽減措置として導入した各種装備品、設備を正しく運用できる現地の責任者であり、それを実際に使う従業員、関係者の訓練、教育です。設備や機材だけ揃えても十分な運用ができておらず、結果的に関係者が死傷してしまったというのは極めて残念な事態と言えるでしょう。

 

被害軽減措置に依存するのではなく、被害軽減措置をいかに活用するか、運用できる人材も一緒に育成していくことが真の安全対策につながるのです。

 

この項終わり