COCOA問題は他人事じゃない

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新型コロナウイルス追跡アプリの不具合

みなさんこんにちは、代表の尾崎です。

日本における新型コロナウイルスの感染拡大を予防するための追跡アプリ、通称「COCOA」(COVID-19 Contact-Confirming Application)。BlueToothの技術を使って、感染者あるいは濃厚接触者との接触確認ができるということで、政府も国民にインストールを呼び掛けていました。

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COCOAの利用を呼び掛ける政府広報映像よりキャプチャ

COCOAの利用者同士が1メートル以内、15分以上近づいた場合に「接触」と自動で判別しもし後日接触した人の中から感染者が出た場合には接触した人全員に通知が行くというのがこのアプリの売り。通知を受けた人がPCR検査や自宅での自主隔離など行動を起こすことで、感染者の増加を一定程度防げるということになっています。

 

似たような機能を持ったスマートフォン用アプリは他国も開発、利用しており、必ずしも特別な仕組みではありません。しかしながら、現在COCOAは障害解消のため大規模なプログラム修正を行っており、2月中旬をめどに更新されるとのこと。

 

その障害とは、COCOAのプログラムの機能確認が不十分だったことからアプリ利用者の約3割が実際に感染者との接触可能性を通知できない状態だったというもの。接触可能性の通知がなされないユーザーはインストール数の約3割程度、770万件とのことですがこれでは本来の機能は期待できません。国会でこの点を追及された菅総理も

失礼じゃなくて、やはり、お粗末なことだったと思う」

と明言されており、十分な活用ができていなかったことを謝罪しました。

 

 

もう一つ深刻だったのはこの障害は最近発生したわけではなく、2020年9月に発生していたこと。アプリの配布元である厚生労働省は5か月にわたって障害の存在すらつかめておらず、対応が後手に回ってしまっています。

当サイトはスマートフォンアプリ開発のページではなく、尾崎自身も政府批判をしたいという意図で取り上げるわけではありません。他方で、安全対策の基本的な考え方で教訓化可能な部分がありますので少しコラムで説明したいと思います。

 

【次ページでは・・・システムを開発・導入すればよい、という時代は終わった】