緊急連絡先リストは「紙」で持とう!

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災害発生時に使える「防災カード」

2022年1月、太平洋の島国トンガ近海での大規模な火山活動が日本にも影響を及ぼしました。すぐ近くで噴火が発生したトンガでは依然として通信状態が回復しておらず、電話やインターネットがつながっていないとのこと。近隣の主要国であるオーストラリアやニュージーランドが軍を派遣して被害状況の把握に努めている他、日本政府外務省は現地と衛星携帯電話を用いて関係者の無事を確認しているようです。

 

トンガ近海の噴火に限らず、このような大規模自然災害の場合生活に必要なインフラが同時に、そして広範囲に寸断されることは明白です。災害の多い日本で暮らされている方の多くもご経験があるのではないでしょうか?

・水道

・ガス

・電気

・通信(固定電話・携帯電話・wifi等)

・公共交通機関(鉄道・地下鉄・バス等)

・流通網(スーパーやコンビニの商品供給等)

 

災害が発生して、使えなくなるとどれも困ってしまいますよね。日本でも地震や台風等によってたびたび停電や通信網の混乱、物流の混乱が発生しています。普段携帯電話、特にスマートフォンに頼っている現代の日本人の生き方では、停電によって電池が切れてしまうと、家族や職場との連絡もままなりません。また、たいていの電話番号は携帯電話のメモリに入っているでしょうから、パートナーやお子さん、業務関連の連絡先すらわからなくなってしまうことも予想されます。

ただでさえ、災害に見舞われていて安否がはっきりしないのに、なかなか連絡がつかない!というのは大変不安な状況です。その上スマホのバッテリーが切れてしまって連絡先が分からなくなった!というのはもっとマズいですよね。そんな時に備え、日本の各自治体では防災パンフレット等で「防災カード」を作ろう!と呼びかけています。例えば次の図は東京都品川区がHPで公開している区の防災パンフレットからの抜粋です。

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いざ、というときにもお財布や定期券入れなどに家族や所属先、重要な連絡先を忍ばせておけば、携帯電話の電池切れの場合でも、公衆電話等から安否の連絡ができますね。

 

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海外で常時手元に置ける「連絡先カード」を作ろう

ご覧いただいたように日本国内では自然災害に備えてこういったカードを作りましょう、という呼びかけがなされています。各地の自治体もPRしていますし、公立の学校でもこうしたカードを家庭で作るよう指導されていますので、実際に活用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?では、海外渡航の際にも同様のカードを作っている方はどのくらいいるのでしょうか?

 

日本に比べて勝手がわからないことも多いですし、予想外のテロや襲撃事件、政変、もしくは携帯電話の盗難といった事態だって起こり得ます。2022年1月のように、現時点での人間の科学力では「未知」とされるような海底火山の噴火や、広範囲に被害が及ぶ津波の可能性だってあるわけです。

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噴火後に撮影された津波の様子を報道するBBCニュース

英語や現地の言葉ができる方でもパニックになった時、日本語で相談できる連絡先がすぐにわかるかわからないかで、随分と気の持ちようが変わってきます。そういう時に、役立つのが海外版の「連絡先カード」。日本国内と同様に、いざというとき連絡できる人や組織の名前と電話番号、住所などを書いて、手元に置いておくとよいですよ。日本と比べてインフラが脆弱な国の場合はなおさらです。

 

特に海外では携帯電話は常に持っていないと連絡が取れないことがほとんどです。

 携帯電話の充電が切れてしまった!、

 電話を盗まれてしまった!、

 急いで避難して携帯電話が手元にない!

なんてことになった時、連絡カードを持っているか、いないかで大きな差が出るのは想像に難くありません。

 

弊社ではパニックになった時にもさっと取り出せるように、海外へ出発される前に準備することをおススメします。例えばお財布の中に一枚、パスポートケースに一枚、といった具合に準備しておくと、たとえお財布を盗られても連絡先だけはなんとかわかるはず。連絡先さえわかれば、近くの人の携帯からでも、ホテル・レストラン、もしくは民家の電話からでも助けが呼べます。

 

また、海外に多く関係者を派遣されている企業のご担当者様であれば、海外出張/赴任者+家族用に緊急連絡先カードを作ってしまってもいいかもしれません。例えば世界銀行(World Bank)グループでは、契約関係にある人にプラスチック製の小さなカードを配布し、鍵と一緒に常時携帯できるようにしています。

 

 

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メモしておくとよい連絡先

日本国内で記録しておくとよい連絡先は品川区の事例でわかります。では、海外ではどのような連絡先を記載しておけばよいでしょうか?皆様それぞれ海外への渡航目的や関係団体が違いますので一概には言えませんが、共通してメモしておくとよい連絡先、必要に応じてメモしておくとよい連絡先を次にまとめておきます。

 

また、このページの最後には、ダウンロードしてすぐ利用可能な連絡カードのひな形もご用意しました。ぜひご参考になさってください。

 

 

共通してメモしておくとよい連絡先

 ・現地日本大使館もしくは総領事館

 ・滞在先のホテル(自宅)

 ・現地警察の電話(日本での110)

 ・現地救急車の電話(日本での119)

 ・日本国内の家族連絡先

 ・クレジットカード会社

 ・海外旅行保険会社

 ・(パスポート番号と発行年月日)

 

必要に応じて記載しておくとよい連絡先

   ・現地での事業パートナー関係者

 ・留学先の学校関係者

 ・日本国内の所属先緊急時連絡先(海外安全部門や総務部・人事部など)

 ・日本国内の所属部署連絡先(上司や同僚の直通電話番号など)

 ・担当旅行会社

 ・留学斡旋会社

 ・利用する航空会社

 

 

 

この項終わり