スウェーデン国内テロ警戒レベルの引き上げ

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2023年8月17日スウェーデン政府は同国内でテロが発生する可能性が高まっているとしてテロ脅威レベルを一段階引き上げました。直近同国内でイスラム教の聖典を破損したり、焼却したりという行為が繰り返されており、同国への批判が高まっており注意が必要です。

 

sweden threat level
スウェーデン政府のテロ警戒レベルの定義及び脅威レベルごとの表現(スウェーデン国家安全サービスのウェブサイトよりキャプチャ)

今回の引き上げにより、スウェーデン国内のテロ警戒レベルは5段階中3番目から4番目となりました。スウェーデンにおいて、テロ警戒レベルはテロ攻撃の意図と能力を持つ犯行主体の活動動向を基準として設定されています。今回の引き上げによってテロの脅威は「高い」(High Threat)と評価されていることになります。

 

2023年に入り、スウェーデン国内ではたびたびイスラム教の聖典であり、侮辱が許されていないコーランを破ったり、焼却するデモ行為が相次いでいます。言論の自由を背景としてスウェーデン政府がこうした活動の申請を許可しているという経緯もあり、イスラム教徒やイスラム教を掲げる国では反スウェーデンデモが発生したり、外交的な非難声明が発表されたり、という事態が繰り返されています。

また、7月以降コーランが侮辱される場所でイスラム教徒等によるカウンターデモも発生しており、警官の介入が発生している事例も複数報告されています。こうした背景を受け、スウェーデン国内で宗教的動機に基づくテロが発生する可能性は否定できない、と同政府も認識していると判断できます。

 

在スウェーデン日本国大使館は同国滞在中の日本人に対し、「当面の間、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、報道等を通じた最新の治安情報の収集に努めてください。特に、テロの標的となりやすい場所(政府(特に軍、警察、治安関係施設)・外交団施設、公共交通機関、観光施設、デパートや市場、宗教施設など不特定多数が集まる場所)を訪れる際には、周囲の状況に一層の注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど、安全の確保に一層努めてください。」として注意喚起を発しました。

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