治安情報は「変化」に要注意

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最後にちょっとした「変化」が大きな事件の予兆だった、という事例を紹介します。

 

英エコノミスト誌系のシンクタンクであるInstitute for Economics & Peaceという団体が毎年発表しているGlobal Terrorism Indexという指数があります。これは世界各地で発生したいわゆる「テロ」に分類される事件の数や被害規模を指数化して、ランキングしたものです。

最新版である2017年度版はコチラからご確認いただけます。

このGlobal Terrorism Index、毎年発表されているだけに、その「変化」も追跡しやすいという特徴があります。2017年版が公開された昨年末に我々が注目していたのはアフリカのブルキナファソという国でした。というのも、2016年版と2017年版で「変化」が他のどの国よりも大きかったからです。

 

Global Terrorism Index最新版の色分け世界地図。赤が濃い国の指数が高くテロの危険が高い地域

 

ブルキナファソのGlobal Terrorism Indexの変化(2016年⇒2017年⇒2018年)

2016年版 ランキング第63位 指数2.623

2017年版 ランキング第43位 指数4.52

2018年版 ランキング第38位 指数4.811

 

明らかに治安、特にテロに関する状況が変わっていることが読み取れますね。このデータを踏まえて少し周辺の情報も確認したところ、これまでとはテロの警戒レベルを上げたほうがよい、ということが分かり関係者にも注意喚起を行いました。

その後、ブルキナファソでは首都のフランス大使館近くで比較的規模の大きなテロ事件が発生した他、現在までイスラム教過激派の攻撃が続発しています。指数一つの「変化」だけを見て危ない!と声高に叫ぶつもりはありませんが、なんらかの「変化」があった時にはいつもより少し慎重に

 

「自分たちへの危険が高まっていないだろうか?」

 

と考える時間を持ってもよいかもしれない、と感じさせる事例ですね。

 

この項終わり