2023年4月中旬からアルゼンチン主要都市で生活費高騰に抗議する国民の活動が活発化しています。19日には首都ブエノスアイレス市内中心部、大統領官邸付近に抗議者らが居座る様子も報じられています
アルゼンチンの物価は昨年比で約2倍に高騰しており、毎月発表されるインフレ率は前年比10%を超える状態が続いています。国家的財政危機の発生を踏まえ、IMF(国際通貨基金)との債務再編で合意していますが、支援の条件となる財政支出縮小は国民への痛みを伴う内容です。このため、特に同国左派勢力を中心にIMFとの合意による増税や補助金等の削減を認めない旨抗議するグループが活動を活発化しています。
現時点で、同国内全土が全く移動できなくなる状態ではありません。しかしながら、生活が苦しい国民が増えれば増えるほど類似の抗議活動は増加する可能性が指摘されており、当面の間政情が治安の悪化につながらないか十分に注視する必要があります。