ホンジュラス治安最新情報(2024年8月)/海外安全.jp


0.ホンジュラスにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ホンジュラス日本国大使館  :+504-(0)2236‐5511

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :911

◎救急  :195

◎消防  :198

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

ホンジュラスに対しては各国政府とも暴力を伴う凶悪犯罪への警戒を強く訴えています。特に危険レベルを高く設定しているのはアメリカ政府であり、全土に対して「渡航を再検討してください」以上の勧告を出しています。
オーストラリアおよび日本はアメリカ政府ほど強い勧告を出していない地域も多いですが、国内各地域の治安認識が各国政府間で異なります。

過去ホンジュラスでは大規模なテロが発生していませんでしたが、2013年8月当時の大統領私邸付近での爆発事件、2015年には最高裁判所敷地内への手製爆弾投げ込み事例が紹介されています。

4か国の政府ともにホンジュラスの殺人発生率の高さ、麻薬取引に伴うギャング同士の抗争や誘拐、レイプ、銃器を用いた凶悪性の高い強盗等、暴力を伴う犯罪への注意喚起を行っています。

【海外安全.jpのコメント】

ホンジュラスの治安情勢は各国政府の注意喚起通り、依然として厳しい状況です。日本とは全く違う環境であることを認識し、各国政府のアドバイスをよく読んだ上で渡航されることをおススメします。

 

特に、日本政府の危険情報では「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」となっている地域でもアメリカやオーストラリア政府は渡航計画を見直すよう呼び掛けている地域があります。渡航される前にご自身の目的地に対し、各国政府がどのような危険度レベル設定をしているかご確認いただくことをおススメします。

ホンジュラスに渡航される場合は各国政府のアドバイスに従い、観光客が利用可能なエリアでの宿泊、信頼できる交通手段を確保した上で、安全確保を最優先に計画することをおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域

テグシガルパ市

コルテス県、アトランティダ県、ジョロ県、オランチョ県、グラシアスアディオス県、コロン県及びコマヤグア県

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記を除く全土

 

ホンジュラスでは一時期よりも減少したとはいえ、平均して一日11人以上が殺人で死亡しているという統計数値が紹介されており、殺人の発生率が極めて高い国であることが明記されています。加えて麻薬取引の主要経路であること、暴力行使を辞さないギャング集団(通称「マラス」)の活動が観察されること、などが主たるリスク要因として記載されています。

過去に日本人が日中に拳銃強盗被害に遭った事例も紹介されており、強いトーンで注意喚起がなされています。特に以下に抜粋したように具体的なアドバイスが記載されています。

(1)夜間は不要不急の外出をしない。また昼間でも単独行動はできる限り避ける。

(2)徒歩での移動は極力避け,たとえ近距離でも車両で移動する。

(3) 外出時は目立たない服装をし,現金は分散して所持し,時計やアクセサリーなどの貴金属類などを身に着けない。携帯電話を盗むためだけの路上強盗も発生しているので,路上での通話は避ける。

(4) 強盗に遭った場合は,銃器を所持していると考えられるので,生命の安全を第一に考え,決して抵抗せず,抵抗する素振りも見せないようにする。また,金目のものを何も所持していない場合,強盗が逆上して腹いせに暴行するケースもあるので,ポケット等に300~500レンピーラ(約1,500~2,500円)程度の現金を捨て金として入れておき,残りは別の場所に保管して持ち歩くようにする。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

現時点では新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ全土に「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」以上のリスクレベルが設定されています。
新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルは以下の通りでした。


グラシアスアディオス県は「渡航を中止してください: Do not travel」に設定されています。

グラシアスアディオス県を除く全土は「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」に設定されています。

いずれも凶悪な犯罪の発生率が高いことを背景として高めのレベルが設定されています。殺人や武装強盗が頻繁に発生していること、暴力を辞さないギャングの活動や路上犯罪、レイプ、麻薬取引、人身売買なども国内各地で行われている点記載があります。

 

アメリカ国民に対して夜間は外出しないこと、強盗に遭遇した際には抵抗しないこと、ATMや銀行を利用した直後は特に気を付けること、など具体的なアドバイスが列記されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時全土に対し、「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されていましたが、現在は解除されています。

 

2024年1月の時点で特段の注意事項はありませんが、トラベルアドバイスの冒頭、ホンジュラスにはイギリス大使館が存在していないことから、緊急時には首都テグシガルパもしくはロアタン島の名誉総領事を頼るよう記載があります。その上で、凶悪な犯罪の多発、政治的なデモの暴徒化、交通事情の悪さ、などが注意事項として記載されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付の引き下げに続き、2022年7月16日付のリスクレベル引き下げに伴いホンジュラスの主要部分は「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」に設定されました。

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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

ホンジュラスに対しては、グラシアスアディオス県およびチャメレコン市、チョロマ市、コフラディア市に対して上から二番目の「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。

それ以外の地域には5段階中真ん中の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。

 

いずれも犯罪が多発していることが背景となっています。特にグラシアスアディオス州およびチャメレコン市、チョロマ市、コフラディア市では暴力的な犯罪が極めて多いことが明記されており、渡航を再検討するよう呼びかけられています。

犯罪以外にも2017年の選挙後しばしば暴力を伴う政治的活動が発生していることへの注意も必要である点記載があります。

6.最近の治安ニュース

ホンジュラス北部殺人多発による外出禁止令(2023年6月25日)

ホンジュラス首都郊外女性刑務所での暴動(2023年6月20日)

米国移住を目指すホンジュラス人の集団移動(2020年10月)

2018年10月現在ホンジュラスを出発した3000名程度の集団がアメリカへの移住を目的として隣国グアテマラやメキシコを経由してアメリカに向かっています。メキシコとグアテマラの国境やアメリカとメキシコ国境で現地治安当局、入国管理局等とホンジュラス人の集団が衝突する可能性が否定しきれません。

ホンジュラス国内では以下の通り、移動中の国民を支援する動きも観察されており、国内の治安に影響することもあり得るため注意が必要です。これ以降、たびたび類似の移住希望者集団の移動が確認されています。

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